はじめに
勉強法は、多種多様です。
書店にも数多くの勉強法なる本が置かれていますが、その数の多さと、種類の多さに、どれを選んでいいか右往左往してしまうかも知れません。
中には、正反対の内容を推奨している場合もあり、「結局どれが正しいのか、どれを信じていいのか?」と迷走してしまう方も少なくないのではないでしょうか。
しかし「ケアマネ試験に合格する」ということだけを考えた時には、実は、「この“勉強法”でないと絶対にダメ」という事はありませんし、逆に「この“勉強法”は絶対にダメ」という事もありません。
それは、十人いれば十通りの個性や経験、生活環境などがあり、「どの“勉強法”がベストであるかは、人それぞれである」と言えるからです。
ですから「“正しい勉強法”はどれか?」という視点ではなく、「“自分と相性の良い勉強法”はどれか?」と視点で、自分に合った勉強法を見つけてみましょう。
その上で、東大式記憶術ケアマネ試験一発合格脳学習法は、記憶術専門家と資格試験の専門家監修のもと、合格を限りなく100%に近づける勉強法をあなたに提案していきます。
まずは、提案する勉強法を試してみてください。
全てを実践する必要はありません。
2つでも3つでも、自分に合った勉強法を見付けることができれば、勉強効率を上げることができ、自分らしい勉強法を確立していけます。
また、当然のことですが、勉強しないで合格できる方法はありません。
大事なことは、勉強法を実践してみること、継続してみることです。
学習を進めて行く中で、自分らしい勉強法を見つけ、ぜひ、積極的に取り入れてみてください。
この記事の目次
「合格脳」の作り方
「合格脳」って何?
「試験に合格する」という目的を達成できる脳を、ここでは「合格脳」と呼んでいます。
「人間の脳は究極のコンピューターだ」
これはアンソニー・ロビンズ氏(※1)の言葉です。
人間の脳は優れたコンピューターであり、自動ナビゲーションシステムを持っていて、正確な目的地を入力しさえすれば、ほぼ正確に目的地に到着することができます。
大切なのは、本当に自分が達成したいことを明確にして、それを正確に、目標・目的として脳にインプットすることです。これさえできれば、後はあなたの脳が目標・目的にむかって、自動的にあなたの行動をコントロールしてくれます。
その結果、最後にあなたは目標を達成することができるのです。
この時の脳の使い方が特徴的で、このような「脳」の使い方ができれば、あなたも手に入れたい目的が必ず達成できるのです。
(※1) 世界No1.コーチ アンソニー・ロビンズ
ビル・クリントン前大統領、 世界的投資家のジョージ・ソロス、俳優のアンソニー・ホプキンス、 テニス・プレーヤーのアンドレ・アガシなど、アンソニー・ロビンズのコーチングを受けたリーダーや著名人は多数である。
「合格脳」の作り方
「合格脳」になるために一番良い方法を紹介します。それは、「絶対に合格する!」と決めてしまうことです。
「合格できたらいいな」では意味がありません。
心の底から「合格する!」と宣言できる自分になることが重要です。
具体的には、次のことを明確にしていきます。
「ケアマネ試験に合格したい理由」を明確にする
今のあなたの目標はもちろん「ケアマネ試験に合格する」ことですね。
では、なぜ、あなたはケアマネ試験に合格したいのですか?
その合格したい理由が、試験日まであなたのモチベーションを維持してくれる強烈な支えになります。
「資格は持っていた方がよいから」とか、「資格をとるように上司に言われたから」とか、「まわりの人が皆持っているから・・」とか、漠然とした、主体性のない理由になっていませんか?
しかし、本当にそれが理由なのでしょうか?
実際に、こうしてこの教材を購入し学習を始めているあなたには、もっと具体的で主体的な理由が、必ずあるはずです。
あなたの「ケアマネ試験に合格したい本当の理由」を明確にすることで、それは、目標を達成する大きなパワーになります。
合格したい理由を明確にするためには、「なぜケアマネ試験に合格したいのか?」という理由を何度か掘り下げて考えてみるとよいでしょう。
自分自身に正直になって、自分の心によく聞いてみましょう。
突き詰めて考えると、本当は、「職場の上司や同僚に認められたいから」「家族や友人に褒めてもらいたいから」、といった理由の人もいるかもしれません。
抽象的な「理屈」よりも、具体的な評価欲や物欲の方が、苦しい試験勉強を乗り越えるだけのモチベーションにつながります。
答えは人それぞれですし、正解・不正解もありません。
誰かに公表する訳でもありませんから、しっかり自分と対話して、自分の本当の理由をはっきりさせましょう。
きれいな言葉を並べただけの理由では意味がありません。
「あなたが合格できる目標」が、素晴らしい目標です。
「私は○○だから、ケアマネ試験に合格したい!」
「私は○○のために、ケアマネ試験に合格したい!」
あなたの「○○」を明確にしましょう。
誰かに宣言しよう!
人間は不思議なことに、自分ひとりだけで決めた約束や期限は、なぜか守ることが非常に難しいです。
誰にも見られていない状態では、自分に甘えて、約束を破ったり、期限を延ばしたりします。
自分との約束を守る最良の方法は、誰かに目標や約束を宣言して、自分だけの約束ではなく、人の目が入る状態にしてしまうことです。
たったこれだけのことですが、自分の頭の中で考えているだけよりも、はるかに目標の達成意欲を高めることができます。
これは、根底に人間の評価欲があるからです。
評価欲は、長期間で継続的な勉強のモチベーション作りに最適です。
目標を達成するためには、これを使わない手はありません。
誰かに宣言することで、合格する以外の逃げ道をなくしてしまいましょう。
こうすることで、「できれば合格したい」「時間があれば勉強しよう」といった消極的な意識から、
「合格するためにできることは何か?」
「どうすれば学習時間が確保できるのか?」
といった、合格することが前提の積極的な意識に切り替わります。
イメージトレーニング
私たちは、「脳にインプットされている通りの自分になっていく」という性質があります。
例えば、
気を付けていても、いつも忘れ物をしてしまう
気を付けていても、いつも遅刻してしまう
気を付けていても、ついつい食べ過ぎてしまう
こういった事は、あなたの脳に「忘れ物をする」「遅刻する」「食べ過ぎる」という事が強くインプットされているために、自分の意識では気を付けているつもりでも、もはや自動的に忘れ物をするように、遅刻するように自分は動かされてしまう、ということなのです。
それだけ、自分の脳にインプットされていることは、自分の行動として着実に表れます。
そう考えると、「脳に何がインプットされているのか?」が、非常に重要なのです。
そこで、なりたい自分を脳にインプットするための良い方法があります。
それがイメージトレーニングです。
よく聞くイメージトレーニングですが、脳の性質をうまく使うことができるので、その効果は絶大です。
実は脳は、「頭で考えたり、想像したこと」と、「実際に起こったこと」の区別をすることができません。
想像したことも、実際に起こったことも、すべて公平に脳にインプットされ、その中で強くインプットされている状態に向かって、そうなるように、そうなるように、私たちは行動することになります。
一流のスポーツ選手が、ベストなパフォーマンスをするために、イメージトレーニングを行っていることは、有名な話ですよね。
これと同じで、合格して喜んでいる自分の姿を具体的にイメージして、毎日インプットします。
「やったー!!」と大きな声で喜びますか?
「や、やったぁ~!!」と嬉し涙でしょうか?
「・・・!」声も出ないほど、感極まってしまうでしょうか?
また、あなたがケアマネ試験に合格すると周りの反応はどうでしょうか?
家族が一緒に喜んでくれる、友人から褒められる、職場の同僚、上司から、一目置かれる、認められる、など。
毎日、思い浮かべて、そしてインプットしてください。
また、このイメージトレーニングは、合格するイメージをインプットするのと同時に、自分のメンタルブロックを取り除くことにもなります。
メンタルブロックとは、「自分で決めている、自分の限界」のこと、もう少し露骨な言い方をすると、「自分で“勝手に”決めている、自分の限界」のことです。
このメンタルブロックは、学習の最大の妨げになります。
あなたが「もうだめだ~」と自分の能力に制限を作ってしまうとき、脳は「私はこの程度が限界だから、もうこれ以上勉強する必要はないや」と、ブレーキをかけてしまうのです。
自分で、自分の限界を決めることなく、合格する自分を脳にインプットすることができれば、あとは自動運転です。
あなたの脳が、目標・目的にむかって、あなたの行動をコントロールしてくれます。
その結果、あなたは目標を達成することができるのです。
インプットのコツ
私たちの思考は、「言葉」と「体の動き」に密接に関わっています。
例えば、口で「楽しい、幸せ~」という言葉を繰り返しながら、悲しい気持ちになることは難しく、スキップしながら悲しい気持ちになるのは難しいのです。
この原理をうまく利用すると、脳にインプットしやすくなります。
「私はケアマネ試験に合格した!」ということを、ダイナミックな動きをしながら、口に出して言いましょう!!
そして、これを、毎日行って習慣にします。
確実に習慣にするためのとっておきの方法は・・・、
と紙に書き出してみることです。
そしてそれを声に出して読みます。これを毎日やります。
誰でも、時には、「もうダメかもしれない・・・」とか、「もしかして落ちるかもしれない・・・」と、弱気になってしまうこともあるでしょう。
ただし、大切なのは、その時に自分をどうコントロールできるか?
それが、その先の結果を大きく左右します。
そんな時こそ、これを行って「合格する自分」に軌道修正してください。
目標を紙に書きだして、毎日、それを声に出してダイナミックに読んでみる。
「書く」という作業と、「声に出して音にして聞く」という2つの作業を行うことにより、より強く脳に「合格」のイメージを刻みつけることができます。
しかも、体はダイナミックに動いているので、前向きな気持ちで宣言できます。
また、寝る前のトランス状態(眠たい状態)は、一番リラックスしていて、脳に情報をダイレクトに書き込むことができるので、このタイミングも大変有効です。
寝る前には、合格して活躍しているイメージを持って寝るようにしましょう。
「合格する自分」になってしまう事が、合格への大きな第一歩です。
「合格脳」はあなたの意識を変え、行動を変え、合格へと導きます。
あとは、自分自身を信じて、焦らないでいきましょう。
効率の良い勉強方法
長期記憶させる勉強法
記憶を定着させるには
人間が何かを記憶するという時に、避けては通れない鉄則があります。
「記憶」が重要なカギを握る試験勉強ですから、その鉄則に沿って記憶していきましょう。
私たちが情報を「記憶」するプロセスは、大きく分けて2段階あります。
① 情報を仕入れる
② 仕入れた情報を定着させる
この「情報を仕入れる」「定着させる」というプロセスを踏むことで、私たちは「記憶」をしています。
記憶するためには、まず始めに情報を仕入れていきます。
仕入れる時に必要なのは、音を「聞く」、文字を「読む」という行動です。
音を「聞いて」、文字を「読む」
この2つの「仕入れる作業」(インプット)が、効率よく記憶する、理想的な覚え方の第一段階です。
次に、インプットした情報を定着させるためには、その情報をアウトプットすることが必要です。
アウトプットとは、インプットした情報を、「話す(声に出す)」、「書く」という行動です。
記憶に定着させるには、情報を「読む」「聞く」という行動で仕入れてから、「話す(声に出す)」「書く」といった方法でアウトプットします。
この記憶の法則を守ったうえで、時間を短縮することを考えると、自分で声に出して読みながら、自分の声を聞くのが効率的です。
「読む」「聞く」「話す(声を出す)」が同時にできるからです。
また、時間がない中で、アウトプットを効率良く進める方法としては、「問題を解いて」アウトプットしていきます。
インプットしたことを、問題を解いてアウトプットすることで、記憶の定着と同時に、試験対策もできるからです。
特に、過去問題を解いておくことで、実際の試験の時に「勘」が働くようになります。
ケアマネ試験の出題方法は、五肢複択方式(5つの選択肢の中から正解を複数選択する方式)ですが、特にマークシート方式の試験の場合、その効果が出やすいといわれています。
また、問題を解くことで、「間違えた!」という記憶が体験的な記憶として印象づけられるので、覚えやすくなるというメリットもあります。
長期記憶の仕組みと仕掛け
記憶には「短期記憶」と「長期記憶」があります。
短期的な記憶のことを「短期記憶」、長期的に覚えている記憶のことを「長期記憶」といいます。
試験前日に、知識を詰め込んで翌日の試験に臨むことを「一夜漬け」などといいますが、それでも人間は1日経つと74%も忘れてしまう、と言われています。
試験に合格するには、勉強したことを「長期記憶」させ、試験の当日まで覚えておく必要があります。
つまり、学習した記憶をスムーズに長期記憶にすることが、効果的な学習方法と言えます。
では、どうすれば「長期記憶」することが出来るのでしょうか?
私たちの脳の中には、「長期記憶」に“する”か“しない”か、を判断している「海馬」という器官があります。
その海馬が「長期記憶する」と判断する情報というのは、簡単にいうと、「数日間にわたって、繰り返し、何回も来た情報か?」なのです。
脳は、「何度も繰り返し同じ情報を送ってくるってことは、この情報は大事なんだな~」と判断し、その情報を記憶に残そうとします。
このように、脳は繰り返される情報を必要な情報だと認識して記憶に残そうとするので、学習でいうと、「復習」が非常に重要になります。
逆にいえば、何度か繰り返すという作業をしない限り、長期記憶にはなりません。
目安としては、予習:学習:復習=1:2:4 が効果的と言われています。
また、繰り返しの間隔も大切です。
「1日に10回繰り返して覚える!」というように、超短時間で何度も繰り返して覚えたことは、短期記憶にはなりますが、実は、長期記憶にはなりにくく、短時間に行う必要以上の繰り返しは効率が悪くなります。
つまり、長期記憶にするには、同じ10回でも、1日に10回ではなく、毎日1回を10日間というように、「数日間に渡って」「同じ情報を」「繰り返し」脳に送り込めばいいのです。
さらに厳密にいうと、最も効率的な復習のタイミングとは、
学習日
→その翌日
→その1週間後
→その2週間後
→その1ヶ月後
というように、
ある程度間隔をあけてからの復習が効率的とされています。
なぜなら、脳は、“覚える” そして “忘れる”の繰り返しで記憶を定着させるからです。
逆説のようですが、脳が記憶する過程では、覚えるために“忘れる”ことが必要不可欠なのです。
この仕組みを知らないと、「なぜ、1回勉強したところを覚えていられないのか・・・・」と、無駄に悩むことになります。
確かに、参考書や問題集を1回でしっかり覚えられたら苦労しませんが、脳はこの繰り返しによって記憶する仕組みになっているので、
「1回覚えられたら・・」という幻想は捨て、「繰り返し」を受け入れる事が、実は、記憶の近道なのです。
そして、 “忘れる” といっても、実は完全に忘れてしまっている訳ではありません。
「あ、これなんだったけ?」「この前やったのに思い出せない・・・」
という場合には、実は記憶しているから「忘れた」と思うのです。
初めて見ること、知ることについては、「忘れた」とは思いません。
ある意味「忘れた」分だけ覚えられる訳ですから、1回で完璧に覚えることにエネルギーを使うよりも、いかに繰り返しできるか(復習できるか)ということに意識をおくことが大切です。
そして、繰り返すごとに段々と繰り返しが楽になっていきます。
この「長期記憶」の原理に沿って勉強を進めることで、試験の当日まで勉強したことを記憶しておけるようになります。
長期記憶定着の勉強法
① 勉強のタイミング
私立学校が受験に有利なのはなぜか。その訳をご存知ですか?
実は、私立の学校は受験に対して、何か特別なことを教えている訳ではないのです。
ひとつ違うのは、授業のスピードです。
私立の学校では、本来中学高校で習う6年分の勉強を5年間で教え、最後の1年で受験対策をするのです。
人間は、忘れやすい生き物です。5年前のことはなかなか覚えていられません。最後の1年を5年間の復習にあてられるということが私立学校の強みなのです。
もし、公立高校に通っていても、3年生で新しいことを覚えるのではなく、これまでの復習に1年あてられるとしたら、同じ効果が得られるはずです。
このような、私立学校の例でもわかるとおり、受験勉強で重要なのは、それを「いつ学んだか?」ということなのです。
順番に、均等に、一通り勉強するのではなく、「復習」「反復」をできるように、勉強を進めることです。
「復習」「反復」することを前提として、少しでも「早い時期」に、一通り勉強しておくことが重要です。
そうしておくことで、本人の余裕、自信にもなるので、勉強意欲を加速することにもつながり、成功のスパイラルを生み出すことが可能なのです。
② 勉強のテンポ
「少しでも早い時期に、一通り勉強しておくことが必要」というと、大変なことのように感じるかも知れませんが、それは「完璧に覚えないと次に進めない」と思っているからではないでしょうか?
順番通り、100%完璧にしながら進むのは非常に時間がかかる上に、短期間の間に反復して覚えるため、記憶の定着率が悪く、長期記憶になりません。
これでは、かえって効率が悪くなってしまいます。
試験勉強の際に、最適な勉強のテンポは、50%の理解で進むスピードです。
このスピードで進めると、100%完璧に進む時よりも1/5位の時間で勉強を進めることができてしまうため、早い時期に、一通り勉強をしてしまうことが可能です。
そして、50%のテンポであれば、100%完璧に進める勉強スピードで1回勉強している間に、同じ勉強を5回も復習することができます。
しかも、適度な時間を空けて反復して覚えるため、記憶に定着しやすくなり、非常に効率的です。
大切なのは、試験の当日に焦点を合わせて勉強することですので、今だけ完璧でも、試験当日に勉強の成果を発揮できなければ意味がありません。
50%の理解で進む勉強のテンポを意識して、いかに繰り返せるか?ということを念頭に勉強を進めましょう。
脳は、大きなくくりから、だんだんと細かい所に入って理解・記憶する方がよいので、最初は、大雑把にしか記憶・理解できないものです。そして繰り返さないとそれを大事なものだと認識しないですし、記憶しようともしないのです。
どうやって繰り返しを避けようか?と考えるのではなく、楽に繰り返すにはどうすればいいのか?という発想になって学習を進めていきましょう。
③ 記憶定着のチャンス
勉強してもなかなか暗記できなくて、やる気や自信が失われた経験がある人は多いと思います。
実は、人間の脳は一生懸命忘れさせようと努力しています。
なぜなら、すべての情報を脳に蓄積していくと、数日で容量オーバーになってしまうからです。
なので、忘れることは当然であって嘆く必要は全くないことを理解してください。
また、問題を解いても、なかなか良い点が取れなくて不安になった経験がある人もいると思います。
しかし、脳は間違えないと覚えないのです。
たくさん間違えることによって記憶が強固になるのです。
1回で覚えようとする勉強法よりも、“忘れる”と“思い出す”回数を増やす勉強法のほうが、脳の機能に即した学習法なのです。
知識をインプットして忘れる、復習し思い出す
これを繰り返すことが、実は記憶の定着に結びつきます。
ある意味、「忘れた」分だけ覚えられる訳ですから、さっさと「忘れる」&「復習する」を繰り返した方がよいわけです。
これを知っているだけでも、ストレスが少なくなります。
これからは、忘れてしまった、覚えていない問題にぶつかったら、「これでまた覚えられるぞ!」と喜んでください。
「忘れた」ことを覚えるチャンスと捉えて、止まらずに進んでいきましょう。
記憶しやすい参考書の活用法
参考書は最後まで使い倒す
学習を進めるなかで、色々な意見が気になってしまい、参考書や問題集を変えたくなることがあるかもしれません。
しかし、参考書や問題集を学習の途中で変えてしまうと、学習の成果がなかなか上がらなくなることがあります。これは復習の効果が得られないことが原因です。
脳は、繰り返すことでパターンを認識して記憶していく仕組みがあり、この効果は同じ対象にしか発揮することができません。
そのため、復習の対象を変えてしまうことは、また一からのスタートとなってしまうのです。
この復習効果を放棄しないためにも、参考書や問題集は、同じものを使うとよいでしょう。
もし、使っている参考書に書いていないような知識や必要な情報を仕入れた場合には、使っている参考書にどんどん書き加えていくとよいでしょう。
同じ参考書に付け加えて書き込んでいくことで、すでに覚えた知識に関連づけて覚えられ、記憶に残りやすくなります。また、自分の思考の流れに沿って、自分なりの解釈が書き込まれていることで、思い出しやすいオリジナルのテキストが完成します。
記憶のパターンを最大限に活用するためにも、ぜひ、同じ参考書を最後まで使い倒してほしいと思います。
また、学生時代の学習の名残で、ノートにまとめたいという人もいるかもしれませんが、気を付けてほしいのが、このノートにキレイにまとめたり、参考書に書いてあることをそのまま書き写すなどのサブノート作りという作業です。
これは、作成に時間を要し、キレイにまとまったノートを見ることで達成感が得られるため、とても勉強した感覚になるのですが、キレイなノートを作ること自体が目的とならないよう注意が必要です。
いくらキレイにまとめても、試験の時にはあなたの記憶しか使えないことを忘れずに、ノートや、まとめは、あくまで“記憶するための手段”と心得ましょう。
図表の認識
図表の認識は、右脳をフル活用して、多くのパターン認識の補助となります。
どの参考書においても、重要度が高いものはグラフや図表でまとめられていますので、参考書や問題集の解説などでグラフや図表があれば率先して覚えるようにしましょう。
また、自分自身で、言葉と論理を図表に変換するという行為も、知識を整理するうえでとても有効です。
特に、ひっかけ問題対策として、混同しやすい類似した知識は、比較した図表にして暗記することで万全の対策となります。
ビジュアル化された情報は全体の理解を深めるだけではなく、思い出しやすく記憶の劣化も起こしにくくなります。
グラフや図表をメインとして記憶し、そこから知識を発展させておけば、図表を思い出すだけで必要な知識を探し出しやすくなります。
知識の整理に、図表をどんどん活用しましょう。
勉強の質を上げる勉強法
脳が記憶しやすい状態で学習する
勉強の質を上げることは、より少ない勉強量で最大の効果をあげることにつながり、その分、復習回数を少なくすることが可能になります。
ここでいう勉強の質を上げるとは、“脳が記憶しやすい状態で学習する” ということです。
質の高い学習をするために、脳が記憶しやすい状態を心得ておき、自分の脳とうまく付き合いながら学習していきましょう。
では、脳が記憶しやすい状態 とはどのような状態なのでしょう?
それは簡単に言ってしまうと、「リラックスした状態」であることが、脳にとって記憶しやすい状態だと言われています。
リラックスできるための手軽な方法をいくつか紹介します。
すぐに出来るものばかりですので、ぜひ、意識して取り入れてみてください。
① 深呼吸する
リラックスする方法として、一番手軽で非常にパワフルな方法をご紹介します。
それは深呼吸です。
これは、勉強の直前に1分で完了します。
椅子に深く座り、背中は若干丸めて手を膝の前に出します。
その姿勢で目をつぶりながら15回程度ゆっくり深呼吸します。
呼吸を制御することにより副交感神経の働きが活発になりストレス解消にもなります。
壮大な自然の風景や、一番うれしかったことをイメージしながら行うとより高い効果があるでしょう。
② 興味を持つ
学習に対して興味や好奇心をもつと、そのワクワク感やドキドキ感が脳の海馬を刺激し、リラックスしている時に出るのと同じシータ波を誘発して、記憶の結合がスムーズに行われます。
しかし、「なかなか学習に対して興味や好奇心がもてない」という人も多いと思います。
そんな時は、あえてワクワクした気持ちになる言葉を発してください。ウソでも良いのです。
たとえば、勉強の合間に「なるほど!」、「なんだ!こうなっているのか!」、「いいぞ!」など、あえて口に出して行ってみましょう。
この「声出し」が意外と効果的なのです。
口に出して、それを自分自身が聞くことで、不思議となんだかワクワクしてくるものです。
③ 歩く
歩いたりすることもリラックス効果をもたらします。
皆さんも、仕事や勉強などで行き詰まってしまったとき、その場を離れ環境を変えることによって、急にアイデアが閃いた!・・・なんて経験があるのではないでしょうか。
厳密には、歩いたことによって「場所が変わる」という「環境の変化」が要因となっているのですが、あの歩きながら本を読む像で有名な二宮金次郎は、実は、理にかなった勉強法をしていたと言えるかもしれません。
歩くといっても、大袈裟に運動しなくても、場所を移動するだけでいいのですから、頻繁にトイレに行ったりすることも有効です。
その他、部屋の中をグルグル廻るだけでも、空間移動が海馬を刺激してリフレッシュしてくれます。
なかなか勉強に集中できないとか、あまり記憶できないという人にかぎって、長時間、机の前に座って体を動かさない傾向がありますから、
“どうもやる気にならない”とか“思考に煮詰まった”状態になった時には、体を動かすことを意識して散歩に出かけるなど、これを実践するとよいかもしれません。
コーヒーブレイク
ニューヨークのカレッジで心理学者のR.シンバロが、大学生に単語を記憶させるために実験行いました。
半分の学生には、「記憶の実験だけどムキにならずに忘れてくれても良い」
もう半分の学生には、「記憶の実験なのでしっかりと覚えなさい」
と伝えたところ、その結果は、なんと、最初の「忘れても良い」と言われた学生の方が、はるかに単語を暗記していたとういう結果が出たそうです。
この実験で、リラックスした状態を作り出し学習した方が単語を覚える成果が上がった、と言うことになります。リラックス状態の意識は、新しい情報を受け取りやすいのです。
脳はシータ(θ)波が出ていると、“情報を記憶に焼き付けようとしっかりスタンバイしている状態”になっているといわれています。
つまり、脳が記憶しやすい状態とは、シータ(θ)波が出ている状態です。
シータ(θ)波とは、脳の海馬から出されたリラックスした状態の脳波のことで、記憶と学習に適している脳波の状態といわれています。
通常は、入睡時、睡眠中、寝起き、トイレ、入浴時など、生活の中でリラックスできる時間に出されているといわれています。
学習のリズム
フランスの研究家ヘンリ・ピエロンは「30分ごとに休息し、それぞれの休息は5分が良い。休息が10分間を超えても何の向上も見られない」との実験結果を発表しています。
また、ドイツの研究家ツァイガーニックは、「ある人が没頭していた課題を中断するのは、それがうまくいっている最中であったとしても、著しく高い記憶想起をもたらす」との実験結果を発表しています。
つまり、勉強のリズムは、30分学習して5分休憩が良い という結果です。
また、私たちの脳は、続けて類似性があるものを覚えようとすると、記憶が曖昧になってしまったり、混同や勘違いを起こします。
これは「記憶の干渉」といわれ、勉強の取っ掛かりはよく覚えているが、徐々に頭に入らなくなるといった、誰もが経験したことがある現象のことです。
どんなに調子がよくても30分で一旦休憩することで、記憶が整理され効率が良いと言う訳です。
また、30分という区切りがあることで、気持ち的にも集中しやすくなりますから、勉強に入るときには、キッチンタイマーや携帯のストップウォッチ機能を使って30分を区切って勉強するのがおすすめです。
知識の整理
知っているはずなのに、ひっかけ問題に躓いてしまったり、勘違いによるケアレスミスなどで間違えてしまうということがあります。
これは、「知識の整理」ができていない場合に起きやすいです。
特に、本人が“分かっているつもり”になっている時には、なかなか気付くことが難しいのです。
この解決法で一番良いのが、誰かに教えてみることです。
教える人がいなければ、自分に説明することでもよいでしょう。
「教える」という行為は、あやふやな知識ではできません。
自分の中で問題の本質を理解して、分かりやすく説明しなければならないので、自然と、記憶の整理や記憶力の向上という効果が期待できます。
学習を進める際には、解き方を誰かに教えなければならないと意識してみてください。
ただ学習するよりも、格段に理解度が深まり、“分かっているつもり”を防ぐことができます。
暗記のコツ
すでに長期記憶になっている事や物に関連している新情報は、長期記憶になりやすいです。
これは、既存の記憶にくっつけてイメージさせ、覚えることで、海馬を強烈に刺激しスムーズに記憶させることができるからです。
この“関連付けて覚える”ということが重要です。
また、記憶を関連付ける際には、その学習の内容との関連付けだけでなく、使っている参考書やノートの「形」を使って関連付けて覚えるということもできます。
例えば、
あのページの右上にメモした事だ!
○○が書いてあったのと同じページの、あの表だな!
というように、ページの区切りやそこにあった表やイラストなどを活用しつつ、本の形から内容を思い出していくのです。
このような活用法でも、“すでに頭の中にある情報と語句を関連させる”ということができます。
また、脳にとって極めて負担の少ない暗記法が、関連付けて覚えるゴロ合わせです。
これも、すでにあなたが知っている言葉を使い、すぐにイメージできるような言葉を選びながらゴロを考えるとよいでしょう。
きれいなゴロを作る必要はありませんので、多少の時間がかかったとしてもオリジナルのゴロ合わせを作ると良いでしょう。
自分がよく知っている言葉をどんどん使い、インパクトのあるゴロを作成してすることで、驚くほどの暗記の効果が期待できます。
学習時間を確保する方法
「学習時間」を作るためは、物理的な時間の確保はもちろんですが、その時間の中でいかに集中して取り組めるか?を考えなくてはなりません。
試験勉強は、限られた時間の中で、いかに集中して取り組めるかが勝負ですので、自分の貴重な時間を有効に使うための工夫をしていきましょう。
まず、物理的な時間ですが、1日は24時間と決まっていて、当然、その時間を増やすことはできません。
また、1日の生活スタイルもほぼ決まっている場合が多いので、ゆえに学習時間を確保するためには、現在のあなたの24時間の生活スタイルの中から、何かの習慣を変え、学習時間を作る必要があります。
つまり、今までやっていた何かを止めて、そこに学習時間をあてこむということです。
それには、まず、あなたが、学習時間を確保するにあたって、本試験まで何を犠牲にできるかを考えます。
睡眠時間を削る。
通勤時間にゲームをしない。
好きなドラマを見ない。 など、
その中から、いちばん可能性が高いものを選びます。たとえば、会社が終わったらファミレスやファーストフード店で1時間勉強してから帰る。
これは、子供さんがいて、家では集中して勉強ができない人にとってはとても有効ですが、子供とのふれ合いの時間も1時間減るので、その覚悟が必要になりますね。
しかし、間違いなく言えることは、覚悟の大きさと合格率は比例します。
また、一見よさそうに見えても、続かなければ意味がありませんので、最初は、ハードルを思いっきり下げて続けられそうなことを設定してもよいでしょう。
次に、集中するための「環境・準備・スイッチ」の要素の活用方法を紹介していきます。
環境を整える
“環境を整える”とは学習の中断要因を排除することです。
つまり、集中の妨げになるモノを無くす作業になります。
あなたの勉強を中断させるような要因があれば、それらを学習環境から排除します。
たとえば、パソコンでネットサーフィンしてしまう場合には、パソコンを勉強机に置かない、といったことです。
また、なかなか自宅での排除が難しい場合には、ファミレスやカフェなど、場所を変えて取り組んでもよいでしょう。
学習空間から学習に不要なものを徹底的に排除することで、集中力の保持に絶大な効果がもたらされることになります。
準備をする
“準備をする”とは、すぐに勉強がはじめられる状況を作ることです。
つまり、椅子に座ったら何も考えずに勉強に向かえる状態にするということです。
いざ勉強を始めようとして、なかなか始められない場合には、その要因を書き出します。
それらを勉強する前にやってはいけないのです。
たとえば、
今日は何を勉強しようかな?と考えてなかなか始められない場合には・・・全体スケジュールを確認して、前日までにやるべきことを明確化しておく。
問題集をどこまでやったか思い出すのに時間がかかる・・・やるべき問題集を開いたまま机の上に放置する。しおりやポストイットを使い、すぐに開けるようにしておく。などです。
これは、学習開始までのハードルを下げ、すぐに学習のイメージができるので、スムーズに集中モードに移行できます。
3、スイッチを作る
“これをした瞬間に、集中モードに突入する”という行動を作りましょう。
これについても色々な方法があります。
自分で“これをすれば集中できる”という行動を見つけることにより、集中力をグンと高めることができます。
たとえば、キッチンタイマーをセットした瞬間をスイッチにする、というのもおススメです。
“決められた時間の中で、何かを終わらせる” という〆切効果が働き、ほどよい緊張感が得られます。
また、先で紹介したように、学習をするために行くファミレスやカフェなどの決まった場所を作ってしまうのもおススメです。
その場所に出向くことがスイッチとなり、その場所では自然と集中できるようになります。
勉強を続けるためのコツ
勉強時間を捻出できたら、今度はそれを習慣化しましょう。
習慣化するためには、まずは、毎日コツコツ継続することです。
継続するためには、以下のことを上手く活用するとよいでしょう。
継続には目標設定が必要不可欠
何かの結果を出す時には、必ず「目標設定」が必要です。
なぜ必要かというと、人間の行動は、「意識しないと分散する」ものだからです。
当たり前ですが、“ただ単に散歩をしていたら、富士山の頂上に到着した”なんていう人はいません。富士山頂を目指しているから、頂上に到着します。
スポーツでも同じで、ただ何となく練習していただけで、オリンピックの金メダルを取る人はいないのです。
オリンピックで金メダルを取るためには、そのために何が必要なのかを分析し、それと現状の自分との差を埋めていくことによって、はじめてオリンピックで金メダルを手にすることが可能になってくるのです。
試験であっても全く同じです。
ケアマネ試験に合格するためには、今の自分と合格できる自分との差を埋めていくことによって、合格することが可能になります。
1) 結果の出る目標の立て方
目標設定をするときに、目標さえ立てれば何でもよい訳ではありません。
結果を出せる人の目標設定と、結果を出せない人の目標設定とは明らかに違います。
私たちは、結果の出せる目標設定をしていきます。
結果を出すための目標設定は、次の5つの要素を満たすことです。
◆具体的に
目標は言葉で表現できる具体的なものである必要があります。
◆測定可能
目標の達成度合いが数値として測定可能なものである必要があります。
◆達成可能
単なる希望や願望ではなく、達成可能と思えるもの。
◆信頼可能
自分が本当に達成したいと思える必要があります。
◆時間設定
目標に対して、時間設定がされている必要があります。
例えば、この2つの目標のうちどちらが結果を出せる目標でしょうか?
・「ケアマネ試験に合格できるように、毎日、頑張って勉強する!」
・「明日は、朝起きたらテキストの30ページまで声に出して読み、通勤電車の中で同じ箇所の音声を聞く!」
どちらも試験合格のために立てた目標ですが、結果を出せる目標設定は、2番目の目標です。
1番目の目標も「大きな目標」としては間違いではありませんが、具体的には、どう実行してよいか、どこから手を付けてよいのか?わかりませんよね。
目標は、実行するために設定するものなので、実行する事柄が具体的になっている必要があります。
人間は「大きすぎるものには実感が湧かない」という特徴がありますので、東京ドーム1個分というのならイメージが湧きますが、東京ドーム100個分になると、大きすぎてうまくイメージが湧きません。
「試験に合格する!」という目標を立てるというのは悪くないのですが、実際に実行に移す時には、何をどこからどう手を付ければいいのかわからなくなってしまい、やる気も集中力も湧きにくくなってしまうのです。
こういうときは、大きな目標を小分けにすればいいです。
目標を小分けすることは、実行しやすい具体的な目標になり、「実行できそう♪」という感覚がつかめたとき、私達は集中できるようになります。
階段でも高すぎる一段では、上っていくことができませんが、数段に分けた低い段であれば、上っていく事ができるようになるのと同じです。
大きすぎて愕然とした目標ではなく、小さくても実行できる目標の積み重ねが、結果を生みます。
大きな目標を、小さく小分けにして実行することで、結果的に、大きな目標の達成につながります。
自分の目標を立てよう
では、早速、あなたの目標を立てましょう。
上記の2つの目標の例でわかるように、目標はより小分けにし、具体的な方が集中でき、結果につながります。
大きな目標から、日々のスケジュールを割出し、日々実行する直接の目標として、「前日に、次の日の計画を立てる」という風に具体的な目標を立てましょう。
また、それを紙に書き出す習慣をつけることで、時間を非常に有効に使うことができるようになります。
なお、日々の目標とその進捗がどうであったかを、1週間単位くらいで見返すようにしましょう。
全体の目標、進捗と照らし合わせて、必要があれば、日々の目標などを微修正しながら進めていきます。
また、この「目標を立てる」「実行する」、「目標を立てる」「実行する」を繰り返すことで、「自分は目標を立てると、その通りに実行できる人間だ」ということが脳に強くインプットされます。
このインプットは、「ケアマネ試験に合格する!」という大きな目標達成にもつながる、大きな後押しになっていきます。
自分へのご褒美を決めよう
目標設定でもう一つ大切なことは、自分への適切なご褒美を決めるという事です。
端的に言えば、「ニンジンを目の前にぶら下げて頑張る」という誰でもよく使う手法ですが、人間は、自分へのリターンなしで動くことが難しく、何らかのリターンを必ず求めています。
「ケアマネ試験に合格したら○○をもらう」といった、長期的なリターンとしての目標も、勉強のきっかけ作りや勉強の方向性を決めるためには役立ちますが、日々の勉強のモチベーションを維持し、目の前のつらさを乗り越えるためには、すぐ目の前のご褒美が欲しいものです。
ですから、もっと短期的に、今日これだけのことをやったら、○○をする、○○をもらうというように、小さなご褒美をあげるように設定しましょう。
この時に、
「○○しないと、××できない」という様なマイナスの発想ではなく、
「○○したら、××できる♪」というようにプラスの発想を持つことで、勉強へ取り掛かるときのハードルも下げることができるようになります。
学習計画のヒント
通信講座の場合には、通学する講座と違い、いつでも自分の好きな時に学習できるというメリットがある反面、その自由の中でいかに自己管理して学習できるか?が鍵となります。
また、いくら時間があっても、その質が低ければ意味がありません。
「ケアマネ試験に合格する」という大きな目標だけがあっても、具体的な手順などがなければ達成できるイメージができないので、
学習を進めるためには、計画を立てることが必要不可欠になります。
合格するためには、毎日どのくらいの勉強量をこなす必要があるのか?
それには、毎日どのくらいの学習が必要なのか?
また、限られた時間で、その量を進めるために集中して学習するためにはどうしたらいいか?
学習の予定を、明確にすることで、学習に対する「覚悟」ができ、あなたの「能力と意欲」も高まります。
また、試験日までの自分の進捗を確認することは、日々の不安を解消するうえでもとても大切なものになりますので、必ず、学習計画を立てるようにしましょう。
それでは、学習計画を立てる時のポイントを次にまとめます。
学習可能日を算定する
あなたが試験までに学習できる日数を割り出します。
毎日勉強できるという人は1ヶ月を30日で考えることができますし、決まった曜日はできないという人は、その日数を差し引いて考えます。
また計画を立てる時点で確定している「全く学習が出来ないであろう日」の日数も、学習可能日から差し引きます。
学習調整日を差し引く
学習可能日を算出できたら、さらにそこから週に1回の学習調整日を作り、学習可能日から差し引きます。
これは、「計画通りに学習が進まなかった際の学習の予備時間」を設けておくためです。
今の時点では、学習計画を絶対に守れる自信があっても、何かしらの原因により、計画通りに進められなくなることも大いに考えられます。
そのわずかな計画の遅れやズレが、挫折のきっかけになるようなことは防がなくてはなりません。そのためにも調整日は必ず設けてください。
学習計画に遅れが生じた場合には、この「調整日」を使って遅れを取り戻すようにしましょう。
なお、学習計画に遅れがなければ、この調整日は思い切って学習を休んでもよいでしょう。
プライベートな時間・・・例えば、遊びやデート、趣味の時間は、一見、学習できる時間に出来そうですが、これらの時間を削り過ぎるのも生活にメリハリがなくなって、息が詰まってしまうものでしょう。
仕事と同様、週に1回くらいの休みをとる方が、かえって効率よく学習を進められるはずです。
1日に必要な学習時間を算定する
学習可能日を算出できたら、次は、あなたが1日にどの位の学習時間を確保できるか?を確認します。
1日のスケジュールをシュミレーションして、勉強時間を割り出します。時間がなかなか取れない人でも1日2時間は確保したいところです。
1日2時間勉強すると聞いて、「それくらいやらなきゃいけないのはわかるけど、でも、そうは言ってもなかなか出来ないんだよね・・・」と思った方は、少し考えてみてください。
例えば、朝30分、お昼休み30分、夜1時間と考えると、いかがでしょうか?
この作業をすることで、今までの生活の中で何に費やしていた時間を学習時間に変えるのか?を明確に認識できるようになり、学習への覚悟も変わってきます。
学習記録を毎日残そう
あなたが試験までに勉強できる時間を知ることができたら、本試験までその時間をカウントダウンしながら、残りの学習量と照らし合わせて、進捗を調整しつつ学習を進めていくことになります。
実際に学習を進めながら、残りの学習時間と、学習量を確認し、学習時間が足りなければ増やす工夫や、学習効率を上げる工夫をするようにしていきましょう。
この進捗管理におススメなのが、毎日の学習記録をつけることです。
この時、「今日はよく頑張った」というような主観的な評価ではなく、「過去問題の読み込み○時間:○ページ~○ページまで進んだ」というように客観的に自分の時間の使い方をチェックし、行動を自己評価しながら、進めることが大切です。
そして、その日の学習の反省をいかしながら、翌日の学習目標を立てると更に効率よく学習を進められるでしょう。
もし、面倒な方は、わざわざ記録用のノートを作らなくても構わないので、参考書や問題集に直接、学習した日付を書き込むような形で進捗状況がわかるようにしてもよいでしょう。
ある程度、記録が貯まってくると「こんなに勉強したのか!ここで止めたら損だ!」という気持ちになってきます。習慣化することにもなり、挫折を防ぐことにもつながります。
ぜひ、あなたの学習記録を残してください。
スランプ脱出法を知っておく
人の気分や感情は毎日違います。
誰にでも、やる気満々の日もあれば、なんとなくやる気になれない日もあり、やる気がない日には、なかなか勉強を始める気にならないものです。
しかし、試験に合格する為に大事なのは、やる気があろうと、なかろうと、とにかく勉強することです。
そこで、まずは、「やる気がないと勉強できない、勉強を始められない」という思い込みを捨ててしまいましょう。
そして、身に付けてほしいのが、やる気があろうと、なかろうと、「とりあえず、5分勉強する」ことです。
勉強といっても“とりあえず参考書を開く”、“ページをめくる”、“1ページだけでも読んでみる”といったことで構いません。
そうしているうちに、いつの間にか段々とやる気が出てきて、5分以上勉強している自分に気付くでしょう。
実は、これには、脳の仕組みが関係しています。
人間の脳の中には「側坐核」と言う“やる気”を司る場所があります。
側坐核は、なかなか活動しない反面、一度動き出すとドンドン活発になり集中力や、やる気が高まります。
この「側坐核」を活動させるためには、ある程度の刺激が必要だと言われており、その刺激が5分の勉強です。
つまり、「やる気が出たから行動する」のではなく、「行動したからやる気が出てきた」というのが脳の仕組みからも正しい順序なのです。
“気がついたら時間を忘れていた”ということを経験したことがあると思いますが、これは「作業興奮」と言われ、側坐核である神経細胞の働きです。
この側坐核という神経細胞の性質をうまく利用することができれば、日々の行動はいとも簡単になります。
やる気がない日は、とりあえず、5分勉強をしてみましょう。
睡眠をうまくとる
学習時間を作るために、睡眠時間を削って勉強した経験がある方も多いと思います。
簡単であるため真っ先に手を出してしまう方法ですが、しかし、試験勉強は長期戦です。
睡眠時間を削ることで寝不足が続いてしまうと、日中の生活にも支障が出ますし、身体的にも負担となり、これを長く継続することは難しくなります。
また、睡眠時間が不足すると、せっかく勉強したことが定着しなくなってしまうのです。
たとえ1日8時間、10時間と猛勉強しても、睡眠が不足したのでは、せっかくの勉強量も水の泡ともなりかねません。
というのも、『睡眠』=『休息』だと思われがちですが、これは、半分正解、半分間違えで、実は、寝ている間は海馬がフル回転して記憶の整理を行っているのです。
つまり、睡眠中に記憶をしているのです。
ですから睡眠を上手に活用すれば、無意識に効率よく記憶させることが出来ることになります。
学んだ知識を、一晩熟成させることはとても重要なポイントなのです。
では、どのくらいの睡眠が良いのか?というと、海馬を最大限に活用できる「7.5時間睡眠」をおススメします。
ちなみに、7.5時間以上の睡眠は意味がありませんので、寝過ぎないように注意してくださいね。
また、夜は「○時まで勉強して、それ以降は必ず寝る」と決めることによって、〆切効果も期待できます。これは時間制限があったほうが、集中力が増して、勉強の内容が濃くなるという心理効果です。
時間に限りがあると認識したほうが、かえって集中力がアップし、より多くのことを学べるわけですね。
なかには、どうしても「7.5時間も睡眠時間をとれないよ」という方もおられるかも知れませんが、できれば最低でも6時間の睡眠時間は確保したいところです。
これは、前日に学んだことを記憶に定着させるためには、最低でも6時間の睡眠時間が必要といわれているからです。
また、短い時間の睡眠でも「質」の高い睡眠をとれるよう、日々の生活リズムを見直してみることも有効です。
具体的には、毎日の寝る時間と起きる時間を一定にするだけでも、リズムが確立し、質の高い睡眠をとれるようになります。
ぜひ、睡眠時間と学習時間を両立させられる、自分のリズムを見付けてみてください。
長期戦である試験勉強を無理なく継続するためにも、この機会に自分の生活のリズムを見直し、よいリズムの中で学習を習慣化していきましょう。
コーヒーブレイク
睡眠にはサイクルがあるのをご存知ですか?
“レム睡眠”、“ノンレム睡眠”という言葉を聞いたことがあるかも知れませんが、私たちの眠りはこの性質の異なる2種類の睡眠で構成されていて、一晩に4~5回、一定のリズムで繰り返されています。
睡眠のサイクルは約90分であり、このサイクルの途中で目が覚めることはほとんどありません。もし、このサイクルの途中に何かしらの外的要因で起こされた場合、頭がボーとして目覚めるのに時間がかかります。(当然、多少の個人差がありますので、入眠時間と起きた時間を調べて自分のサイクルを明確にすると良いでしょう。)
睡眠は、サイクルで役割が違います。
実は、睡眠の最初の2サイクルは体を休める為で、それ以降は、記憶を整理する為のサイクルだと言われています。
睡眠中は、浅い眠りの“レム睡眠”と、深い眠りの“ノンレム睡眠”が交互に起こりますが、この“レム睡眠中”が重要で、この時に脳の中では、海馬が記憶の整理をしているのです。
海馬は起きている時の20~40倍速で記憶の再生を行い、どの情報が必要で、どの情報が必要ないかを吟味すると言われています。
したがって、寝ないと言うことは、海馬に情報の整理をさせないことになり記憶の整理・定着する猶予を捨ててしまうことになります。
そのような勿体ないことを避けるためにも、睡眠時間はきちんととるようにしましょう。