山口あき子
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第1節 私がケアマネ資格を取ろうと思った理由

はじめに、私がケアマネ資格を取ろうと思った理由について、少し、お話させていただきます。

理由の1つ目は、医療、福祉現場、この業界でずっと働き続ける上では、ケアマネ資格は必須の資格だと思ったことです。

私が勤務している医療法人は、5年以上経験のある看護師さん或いは訪問看護ステーションなど、在宅系の事務所に所属している職員に対して、「ケアマネ資格をとりなさい」という上司からの圧力がかかります。

あなたの職場でもそのような風潮はありませんか?いつかとらなくてはいけない資格なら、早めにとってしまおうと思いました。

どの資格試験もそうですが、回数を重ねるほど難易度が高くなります。ケアマネ試験も第一回試験は合格率44.1%、近年では20%前後と、明らかに難しくなっています。ですから今年のうちに1回で合格する方が資格をとりやすいと思いました。これはあなたも同じことを思っていると思います。

2つ目の理由は、当時私は、医療ソーシャルワーカーをしていましたが、その地位は不安定なものでした。最近は、MSWとして採用されるためには社会福祉士の資格を持っていることが条件となっているところが増えていますが、基本的には資格がなくてもできる仕事です。いつ事務職に変更されてもおかしくない立場なんですね。

相談援助の仕事を続けたいなら、ケアマネ資格をとっておけば強みになると思いました。

3つ目の理由は、MSWの仕事は、入院中の短期間、患者さんと関わるだけなので、患者さんが退院してしまえばそこでケースは終了となり、その後患者さんと関わることは無く、患者さんのその後の生活のことはわかりません。ただ患者さんが通過してゆく、また新たなケースが入る、そういったことの繰り返しになります。

そのことに相談援助の専門職としてこう何か、仕事をやりっぱなしにしたような、不全感がありました。もっとじっくりと患者さんと向き合って、その方がよりよい生活ができるための支援をしたい。

そのためには在宅で一人の利用者さんとじっくり関われるケアマネの仕事をしたいと思いました。

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第2節 試験日までの私の行動

次に、試験日迄の私の行動についてお話します。

私が合格したのは、平成15年ですが、その年の1月に社会福祉士国家試験を受けて3月に合格しました。このことで、福祉サービス知識等の科目が免除になったので、受験しやすくなりました。ここから本格的にケアマネ試験合格を目指すようになりました。

そこでまず基本テキストを4月頃買いました。

「ケアマネ試験を受けるなら基本テキストを読んで理解すべきだ」それがオーソドックスな勉強のしかただと思っていましたので、一応買ってみたのですが、ご存知の通り全部で4巻もあり、ページ数もとても多いのです。

見ただけで「うわー。。。」という感じで、いやになってしまいました。

「これを読んで勉強するのか。。。何か気が遠くなりそうな話だなぁ。。。」という感じでした。そのような気分でテキストの1巻を開いて読んでみました。読むと途端に眠くなってしまいました。

「うわぁ、これじゃダメだ、続かない。」と思い、勉強方法を、今迄資格試験に一発合格してきた自分にあった勉強のしかたに切り替えました。これが東大式の勉強法でした。

結果的にこの判断が正しかったのです。この判断を下した理由は、自分の性格を知っていたことと、過去5回の資格試験を受けて一発合格してきた経験から、資格試験の勉強に合った勉強法を知っていたことです。

私はマイペースなので、予備校のような決められたペースで勉強することは合いません。飽きっぽくて短期集中型。六ヶ月以上同じ勉強を続けるのは無理なタイプです。
また、あきらめが悪いので、無理だと思うこともあきらめきれずやろうとしてしまいます。こういう性格を知っていたので、東大式の勉強法に変えました。

私は早速行動を開始しました。まず本屋に行き、自分に合った問題集を物色しました。大きな書店に行けば何種類もの問題集が出ています。1冊1冊手にとっては、

「これから毎日、繰り返し、勉強が続けられるもの」

という視点から、解説がわかりやすい、本文のレイアウトが見やすい、あまり内容が難しくなくて自分にもできそう、など、自分のフィーリングに合った問題集を探しました。

そこで私が選んだのは、晶文社から発行されている、

「ケアマネジャー基本問題集上巻、介護支援分野」
「ケアマネジャー基本問題集下巻、保健医療・福祉サービス分野」

です。この問題集を選んだ理由は、見た目がシンプルで見やすい、解説が丁寧でわかりやすい、本の大きさが小さめで、持ち歩きやすいという理由からでした。

ここで注意したいのは、一つの参考書や問題集を決めたら、それだけを繰り返し勉強することです。何冊も買い込んであちこち手を出して勉強しても一貫性が無くかえって混乱して記憶しにくいものです。ですから勉強する本はひとつと決めてください。

それからは、なるべくこの問題集を持ち歩き、最低でも1日10問は解く、どうしてもそれができない時は1問でもいいから毎日やることにしました。正直なところ、1問も勉強できない日もありました。

私はとてもめんどくさがりやなので、わざわざ時間をとって勉強するということが面倒だったので、通勤電車の中であるとか、母が入院していたので、面会できない時間帯に待合室で待っている間とか、仕事での移動時間、昼休みなどを使って繰り返し勉強しました。特に間違えた箇所はチェックして何回もやりました。

試験日の二週間前くらいから直近3年間の過去問と模擬問題集を繰り返し解いて、間違ったところはチェックをして、重点的に復習しました。

過去問題集は、解説がわかりやすいものであれば、どの出版社から発行されているものでもかまいません。それと並行して使用した模擬問題集は、中央法規から発行されている、

「介護支援専門員実務研修受講試験模擬問題集」

です。私の場合、社会福祉士試験の時から中央法規から発行されているものを使っていたので、使いやすく感じました。

ここで勉強を継続していくために私が気をつけたことをお話します。
それは「緊張感を保つ」ということです。

試験を受けるという行為はかなりのプレッシャーを感じます。しかしプレッシャーを感じ
ないと気持ちがだらけてしまい、勉強するモチベーションが下がってしまいます。プレッシャーを程よい緊張感に変えて、勉強を続けました。

実は20代の時に社会保険労務士の試験を受けて落ちたことがあるのです。原因は緊張感が無くなってしまったことです。本番の試験1カ月前に全国統一模試というのがありまして、ためしに受けたところ「2000人中180番、合格圏内」という判定が出ました。このことで私はすっかり合格した気分になってしまい、緊張が途切れてしまいました。

そのため勉強に集中できなくなり、本番試験の結果は不合格でした。この時に試験は直前期に集中して勉強することが、いかに大事かを思い知らされました。

もうひとつ、あきらめずに勉強を続けていくことができたのは、
「同じ試験は二度と受けたくない!」
という強い気持ちがあったからでした。

私はケアマネ試験を含めて8年間で6個の資格試験を受けています。ほぼ毎年試験を受けていていい加減にいやになっていました。「ケアマネ資格はどうしても取りたい、でももう試験は受けたくない、では今年一回で合格しよう」という強い動機付けができました。

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次に試験直前日について

私は、試験日の2日前から有給休暇をとって夫に協力してもらい家事も一切しないで部屋にこもって勉強しました。試験前日は早めに寝ました。

試験直前の2日前位は、できるだけ仕事を休んで、勉強に集中します。試験直前期は、これまで勉強してきたことの総仕上げをする大切な時期です。この時期にすることは、「過去問」を解くことと、これまで勉強してきたことの復習です。

「過去問」は、できれば本番と同じように実際試験が行われる時間と時間割にあわせてチャレンジしてみましょう。通常ケアマネ試験は、午前10時から試験が開始され、3分野60問の試験時間は120分です。ですから、120分で昨年の過去問、一昨年の過去問にチャレンジしてみましょう。そうすることで、試験本番のシミュレーションができます。

復習の方は、今まで勉強してきた参考書や問題集の復習を行いましょう。新しい参考書や問題集、或いは今まで勉強していない新しいことを理解しようとすると、混乱したり、理解できない場合には不必要に不安になってしまったりするので、今まで勉強してきたことの復習のみに絞りましょう。

また、試験は、過去に行われた実例では、午前10時から全国一斉に始まります。試験が近づいてきたら、試験が行われる午前中に脳が活発に動くように、朝型の生活を習慣づけましょう。

人間の脳が活発に動き出すまで、起きてから2~3時間かかるので、朝7時以前には起きる習慣をつけておきましょう。

受験されるみなさんは現役でお仕事をされているので、朝8時や9時から勤務されていると思いますので、この点は心配ないですね。

そして、いよいよ試験日当日です。
当日はゆとりをもって試験会場に出かけました。

皆さんも、試験当日は余裕を持って家を出ましょう。忘れ物はありませんか?受験票、筆記用具は持ちましたか?

また、1時間前など、あまり早く試験会場に着くと、試験が始まる頃にはかえって疲れてしまいますので気を付けましょう。試験当日は、ある程度の緊張感を持って取り組みましょう。あまりにのんびり気分で試験に望むとケアレスミスをするなど、試験中に集中力を欠く結果になりやすいので、注意しましょう。

試験会場に着きました。

試験会場に行くと周りの人が皆自分より賢く見えてしまうものですが、周りの人のことは気にしないようにしました。

あくまでも資格試験は自分との戦いです。自分が平常心を持って取り組めば他人は関係ありません。

自分の答案用紙が合格ラインよりも上の点数がとれれば良いわけです。自分でも意外におちついて試験に取り組むことができました。

問題が配られたら、さぁ、試験開始です。
まず受験番号、氏名を記入します。多くの場合マークシート方式なので、間違いの無いようにマークします。

試験問題を解く時間は1問あたり平均2分弱です。あまり多くの時間をかけられません。これは人それぞれですが、1問目から順番に解いていくのも良いのですが、試験問題にざっと目を通して、自分ができやすそうな問題、すぐ解ける問題から手をつけていきます。
私の場合はとりあえず1問目から目を通しましたが、わからなかったり迷ったりした問題はどんどん飛ばして、後回しにしました。

その際、マークシートの、マークする位置を間違えないように気をつけてください。一箇所ずれてマークしてしまうと、せっかく正解していても一つがずれることですべて不正解になってしまいますので、注意しましょう。

私の場合、試験問題は45問、90分間の試験でした。時間が短いのであっという間に試験が終わってしまいました。社会福祉士を受験した時は丸1日かかっての試験でしたので、それと比べるととても短く感じました。

そして二ヵ月後の12月、合格発表があり、私はあっさりと合格してしまいました。
「こんなに楽に合格していいのかな」というくらい、最初は実感が湧かなかったのですが、後からじわじわと喜びが湧いてきました。
「この時合格してほんとうに良かった」今、心からそう思います。

是非あなたにも合格の喜びを味わって欲しいと思います。

山口あき子
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