山口あき子
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2016年ケアマネ試験問題 介護支援分野
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介護支援分野:28年度-問題1

介護保険法第1条又は第2条に規定されている文言はどれか。

3つ選べ。

1 自立した日常生活。

2 要介護状態等の軽減。

3 医療との連携。

4 利用者主体。

5 介護の社会化。

◆ポイント◆

この問題では、「介護保険法」の目的・理念について問われている。介護保険法第1条では、「介護保険制度は、「国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的」とし第2条では4項目において介護保険制度の理念を挙げている。

・第1項(保険給付の時期):介護保険は、要介護状態等の被保険者に対して、保険給付を行う。

・第2項(保険給付を行う際の配慮):保険給付は、要介護状態等の軽減又は悪化の防止のために行い、かつ医療との連携に十分留意する。

・第3項(保険給付を行う場合):保険給付は、適切な保健医療サービスおよび福祉サービスが、多様な事業者又は施設から、総合的かつ効率的に提供されるよう配慮する。

・第4項(保険給付の水準・内容):保険給付の内容及び水準は、要介護者に可能な限り、その居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことが出来るように配慮する。

◆答えの解説◆

1=○
「その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことが出来るよう」と介護保険法第1条に規定されている。したがって、この記述は適切である。
2=○
「保険給付は、要介護状態等の軽減又は悪化の防止に質するよう行われる」と介護保険法第2条第2項に規定されている。したがって、この記述は適切である。
3=○
「保険給付は、医療との連携に十分配慮して行わなければならない」と介護保険法第2条第2項に規定されている。したがって、この記述は適切である。
4=×
介護保険法において『被保険者の選択に基づき』と規定されているが、「利用者主体」という文言を用いた規定はない。したがって、この記述は適切ではない。
5=×
介護保険法第1条第2条において「利用者主体」という文言を用いた規定はない。したがって、この記述は適切ではない。

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介護支援分野:28年度-問題2

介護保険法第8条に規定されている居宅介護支援の内容として正しいものはどれか。2つ選べ。

1 地域包括ケアシステムの推進。

2 要介護状態の軽減。

3 居宅サービス計画の作成。

4 介護認定審査会との連絡調整。

5 指定居宅サービス事業者との連絡調整。

◆ポイント◆

この問題では、『介護保険法』における「居宅介護支援」、「居宅サービス計画」、「居宅介護支援事業」に関する定義についての知識が問われている。
介護保険法第8条第24項「居宅介護支援」に規定されている内容は出題頻度が高いため具体的に理解しておく必要がある。
・当該居宅要介護者及びその家族の依頼を受けて計画を作成する。
・居宅サービス計画に基づいた指定居宅サービス等の提供が確保されるよう、事業者・施設との連絡調整その他の便宜の提供を行う。
・入所が必要なものに対する施設の紹介その他の便宜の提供を行う。

◆答えの解説◆

1=×
介護保険法第8条には「地域包括ケアシステムの推進」については、規定されておらず、「居宅介護支援」の内容として位置付けられてはいない。したがってこの記述は正しくない。
2=×
介護保険法第8条には「要介護状態の軽減」については、規定されていない。「要介護状態の軽減」について規定されているのは、第2条第2項で「保険給付は、要介護状態等の軽減又は悪化の防止に失するよう行われるとともに、医療との連携に十分配慮して行わなければならない」と定義されている。
3=○
「(前略)当該居宅要介護者の依頼を受けて、(中略)その他厚生労働省令で定める事項を定めた計画(以下この項「居宅サービス計画」という。)を作成する(後略)」と介護保険法第8条第23項に、規定されている。
4=×
介護保険法第8条には「介護認定審査会との連絡調整」については、規定されていない。したがってこの記述は正しくない。
5=○
「(前略)居宅サービス計画に基づく指定居宅サービス等の提供が確保されるよう、(中略)連絡調整その他の便宜の提供を行い、(後略)」と、介護保険法第8条第23項に規定されている。

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介護支援分野:28年度-問題3

地域包括支援センターについて正しいものはどれか。
2つ選べ。

1 社会福祉法人は設置できない。

2 老人介護支援センターの設置者は、設置できない。

3 医療法人は設置できる。

4 公益法人は、設置できない。

5 市町村は、設置できる。

◆ポイント◆

地域包括支援センターの設置主体は市町村であるが、「地域住民の保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的」として包括的支援事業の委託を受けた者も設置することができる。
包括的支援事業の委託を受けることが出来るものとして、「包括的支援事業を適切、公正、中立かつ効率的に実施できることが出来る」法人として、次のものに委託が可能である。
①医療法人
②老人介護支援センター(在宅介護支援センター)の設置者
③社会福祉法人
④包括的支援事業を実施することを目的とする一般財団法人もしくは、公益法人、特定非営利活動法人(NPO)

◆答えの解説◆

1=×
地域包括支援センターを設置することが出来る者の中には社会福祉法人が含まれる。したがってこの記述は正しくない。
2=×
老人介護支援センターの設置者は、包括的支援事業の委託を受けることが出来る者であるため、地域包括支援センターを設置することができる。したがって、この記述は正しくない。
3=○
地域包括支援センターを設置することが出来る者の中には医療法人が含まれる。したがってこの記述は正しい。
4=×
公益法人は包括的支援事業の委託を受けることが出来る者であるため、地域包括支援センターを設置することができる。したがって、この記述は正しくない。
5=○
地域包括支援センターの設置主体は市町村であるため、設置することが出来る。したがってこの記述は正しい。

介護支援分野:28年度-問題4

包括的支援事業のうち、地域包括支援センター以外に委託できる事業として正しいものはどれか。
2つ選べ。

1 総合相談支援事業

2 権利擁護事業

3 認知症総合支援事業

4 包括的・継続的ケアマネジメント支援事業

5 在宅医療・介護連携推進事業

◆ポイント◆

この問題では、地域支援事業における包括的支援事業について問われている。
包括的支援事業は2015年度に新たに追加された3事業を含めると以下の8つである。
①第1号介護予防支援事業(地域包括支援センターが運営)
②総合相談支援業務(地域包括支援センターが運営)
③権利擁護業務(地域包括支援センターが運営)
④包括的・継続的ケアマネジメント支援業務(地域包括支援センターが運営)
⑤在宅医療・介護連携推進事業(地域包括支援センター以外も運営可)
⑥認知症総合支援事業(地域包括支援センター以外も運営可)
⑦生活支援体制整備事業(地域包括支援センター以外も運営可)
⑧地域ケア会議推進事業(地域ケア会議は、市町村,地域包括支援センターが主催)
地域包括支援センター以外に一括で委託しなければならないのは②~④、地域包括支援センター以外にも委託が可能な事業は⑤~⑦である。

◆答えの解説◆

1=×
総合相談支援事業は、地域包括支援センターで実施しなければならない業務のひとつであるため、地域包括支援センター以外に委託することが出来ない。したがって、この記述は正しくない。
2=×
権利擁護事業は、地域包括支援センターで実施しなければならない業務のひとつであるため、地域包括支援センター以外に委託することが出来ない。したがって、この記述は正しくない。
3=○
認知症総合支援事業は、地域包括支援センター以外に委託することが出来、地域支援事業の社会保障充実分として実施される。したがって、この記述は正しい。
4=×
包括的・継続的ケアマネジメント支援は、地域包括支援センターで実施しなければならない業務のひとつであるため、地域包括支援センター以外に委託することが出来ない。したがって、この記述は正しくない。
5=○
。在宅医療・介護連携推進事業は、地域包括支援センター以外に委託することが出来、地域支援事業の社会保障充実分として実施される。したがって、この記述は正しい。

介護支援分野:28年度-問題5

介護保険法における審査請求について正しいものはどれか。
2つ選べ。

1 居宅介護支援の契約解除は、対象となる。

2 訪問介護の契約解除は、対象とならない。

3 被保険者証の交付の請求に関する処分は、対象とならない。

4 介護保険審査会の委員は、市町村長が任命する。

5 審査は、介護保険審査会が指名する委員で構成される合議体で行われる。

◆ポイント◆

この問題では不服申し立ての審査について問われている。都道府県に設置された介護保険審査会は、市町村が行った処分について不服がある場合に申立された事項について合議体によって審査を行う。
審査請求できる事項は、
①保険給付に関する処分(被保険者証の交付の請求に関する処分、要介護認定または要支援認定に関する処分、居宅介護サービス費等の支給に関する処分、給付制限に関する処分)
②保険料その他の徴収金に関する処分(保険料に関する処分、不正利得に関する徴収金等にかかる賦課徴収)
介護保険審査会の合議体は、審査する内容によって構成する委員が異なるため注意が必要である。また、審査請求期間については、平成28年4月からは「60日」から「3ヶ月」に延長になっている。

◆答えの解説◆

1=×
居宅介護支援の契約解除は、審査請求ができる事項には含まれていないため、対象とならない。したがってこの記述は正しくない。
2=○
訪問介護の契約解除は、審査請求ができる事項には含まれていないため、対象とはならない。したがってこの記述は正しい。
3=×
審査請求が認められている事項には、被保険者証の交付の請求に関する処分がある。したがってこの記述は正しくない。
4=×
介護保険審査会の委員は各都道府県にそれぞれひとつづつ設置され、委員は都道府県知事が任命する。したがってこの記述は正しくない。
5=○
介護保険審査会における審査については、原則、介護保険審査会が指名する委員で構成する合議体により行われる。したがってこの記述は正しい。

介護支援分野:28年度-問題6

住所地特例について正しいものはどれか。2つ選べ。

1 要介護者又は要支援者に限定される。

2 入所する施設が所在する市町村の地域密着型サービスは、対象外である。

3 介護予防給付は、対象となる。

4 軽費老人ホームは対象施設である。

5 有料老人ホームは、対象施設ではない。

◆ポイント◆

この問題は住所地特例について問われており、住所地特例施設の入居者が利用できるサービスや事業を把握しておく必要がある。
介護保険では住所地のある市町村が保険者となるが、施設所在の市町村に保険給付や保険料負担が増加する恐れがあることから、住所を移転する前の保険者がそのまま引き続き保険者となる特例措置を住所地特例という。また、住所地特例の対象者は「住所地特例適用届」や「住所地特例変更届」を転出等の際に保険者へ提出の義務がある。
住所地特例対象施設は次の通りである。
・介護保険施設(介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設)
・特定施設(有料老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム。ただし、地域密着型特定施設を除く)また、平成27年4月より有料老人ホームに該当するサービス付き高齢者向け住宅も、住所地特例対象施設となった。

◆答えの解説◆

1=×
養護老人ホームに措置入所している者や、介護予防・生活支援サービス事業の対象となる基本チェックリスト該当者は要介護・要支援認定を受けていない場合でも住所地特例が適用されるため、保険者は転居前の市町村となる。このことから、住所地特例の適用は要介護者または要支援者に限定されない。 したがってこの記述は正しくない。
2=×
2015(平成27)年の介護保険法改正前は、住所地の市町村にある地域密着型サービスは利用できなかったが、2015(平成27)年以降は入所した施設のある市町村が指定権者である地域密着型サービスの一部が利用可能となった。 したがってこの記述は正しくない。
3=○
介護予防特定施設入居者生活介護は住所地特例の対象者である。また、住所地特例の対象者は地域密着型介護予防サービスの介護予防認知症対応型通所介護や介護予防小規模多機能型居宅介護を利用することができる。 したがってこの記述は正しい。
4=○
特定施設に含まれる軽費老人ホームは、住所地特例の対象施設である。 したがってこの記述は正しい。
5=×
特定施設に含まれる有料老人ホームは、住所地特例の対象施設である。したがってこの記述は正しくない。

介護支援分野:28年度-問題7

地域包括支援センターの業務として正しいものはどれか。
3つ選べ。

1 地域ケア会議の開催。

2 居宅介護支援事業所開設の許可。

3 第一号介護予防支援事業の実施。

4 要介護認定の申請代行。

5 介護・医療連携推進会議の開催

(注)選択肢5は「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成18年厚生労働省令第34号)の定める内容による。

◆ポイント◆

この問題は地域包括支援センターの業務について問われている。地域包括支援センターが行う業務として、
・包括的支援事業:総合相談支援業務,権利擁護業務,地域ケア会議の実施を含む包括的
・継続的ケアマネジメント支援業務。在宅医療・介護連携推進事業,認知症総合支援事業,生活支援体制整備事業の委託を受けることもできる。
・第1号介護予防支援事業:要支援認定等を受けているが総合事業によるサービスのみ利用する人、基本チェックリストに該当し総合事業によるサービスを利用する人を対象とした介護予防ケアマネジメント。
・介護予防支援事業(市町村の指定を受けて行う):予防給付によるサービスを受ける要支援者に対する介護予防ケアマネジメント
・一般介護予防事業、任意事業:これらの委託を受けることもできる。
の4つが挙げられる。
地域包括支援センターは地域支援事業の拠点となるため、今後さらに機能強化が必要とされている。

◆答えの解説◆

1=○
地域ケア会議の開催は地域包括支援センターの業務のひとつであり、困難事例の解決などを目的としている。したがってこの記述は正しい。
2=×
居宅介護支援事業所の指定は都道府県知事が行うものであり地域包括支援センターの業務ではない。したがってこの記述は正しくない。
3=○
第1号介護予防支援事業は、要支援認定を受けている者で予防給付サービスの利用がない場合、または要支援認定を受けていない基本チェックリスト該当者が総合事業を利用する場合に地域包括支援センターが行う介護予防ケアマネジメントである。したがってこの記述は正しい。
4=○
地域包括支援センターが、要介護認定の申請代行を行うことは可能である。 したがってこの記述は正しい。
5=×
定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業者が3ヶ月に1回開催する会議が介護・医療連携推進会議であるため、地域包括支援センターが行う業務ではない。したがってこの記述は正しくない。

介護支援分野:28年度-問題8

社会福祉法人による利用者負担額軽減制度の対象となる居宅介護サービスとして正しいものはどれか。
3つ選べ。

1 訪問入浴介護。

2 訪問看護。

3 小規模多機能型居宅介護。

4 夜間対応型訪問介護。

5 第一号訪問事業のうち介護予防訪問介護に相当する事業。

◆ポイント◆

この問題では、社会福祉法人による利用者負担軽減制度について問われている。低所得者対策のひとつであり、収入や世帯状況などを総合的に考慮して介護費負担と食費・居住費・滞在費・宿泊費の利用者負担を軽減する。居宅サービスでは訪問入浴介護や医療系サービスは軽減の対象とならないことに留意する必要がある。
対象となるサービスは以下の通り。
・訪問介護・通所介護・短期入所生活介護・定期巡回・随時対応型訪問介護看護・夜間対応型訪問介護・認知症対応型通所介護・小規模多機能型居宅介護・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護・地域密着型通所介護・看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)・介護老人福祉施設

◆答えの解説◆

1=×
社会福祉法人による利用者負担額軽減制度の対象に、訪問入浴介護は含まれない。したがってこの記述は正しくない。
2=×
社会福祉法人による利用者負担額軽減制度の対象に、訪問看護は含まれない。 したがってこの記述は正しくない。
3=○
社会福祉法人による利用者負担額軽減制度の対象に、小規模多機能型居宅介護は含まれる。したがってこの記述は正しい。
4=○
社会福祉法人による利用者負担額軽減の対象に、夜間対応型訪問介護は含まれる。したがってこの記述は正しい。
5=○
社会福祉法人による利用者負担額軽減制度の対象に、第一号訪問事業のうち介護予防訪問介護に相当する事業は含まれる。したがってこの記述は正しい。

介護支援分野:28年度-問題9

居宅サービスについて正しいものはどれか。2つ選べ。

1 指定訪問介護事業者は、要介護認定の申請の援助は出来ない。

2 指定通所介護事業所は、要介護認定の申請援助は出来ない。

3 居宅サービス事業者の指定は、6年ごとに更新を受けなければ効力を失う。

4 特定福祉用具販売は、含まれない。

5 福祉用具貸与は、含まれる。

◆ポイント◆

この問題では、居宅サービス事業者の定義など基本的なルールについて問われている。 居宅サービスは福祉系と医療系に分類され、全部で12種類である。
福祉系サービス:訪問介護、訪問入浴介護、通所介護、短期入所生活介護、特定施設入居者生活介護、福祉用具貸与、特定福祉用具販売(7種類)
医療系サービス:訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所リハビリテーション、短期入所療養介護(5種類) 居宅サービス事業者は、都道府県知事の指定を受けるとともに、6年ごとの更新制である。また、介護保険法では指定居宅サービス事業者は、利用者の意思をふまえて、要介護認定や居宅介護支援申請に必要な援助を行わなければならないと定められている。

◆答えの解説◆

1=×
指定訪問介護事業者は、被保険者が新規認定や更新認定を行う際には、その申請に関する必要な援助を行わなくてはならないとされている。したがってこの記述は正しくない。
2=×
選択肢1と同様、指定通所介護事業者においても、申請に関する必要な援助を行わなくてはならない。 したがってこの記述は正しくない。
3=○
指定を受けた居宅サービス事業者は、6年ごとに更新を受ける義務があり更新を受けなければその効力を失うこととなる。 したがってこの記述は正しい。
4=×
居宅サービスには、特定福祉用具販売は含まれる。したがってこの記述は正しくない
5=○
居宅サービスには、福祉用具貸与は含まれる。したがってこの記述は正しい。

介護支援分野:28年度-問題10

介護保険施設について正しいものはどれか。
2つ選べ。

1 地方公共団体は、介護老人保健施設を開設できる。

2  都道府県知事は、開設許可にあたって、都道府県議会の意見を求めなければならない。

3  指定介護老人福祉施設の管理者は、原則として、医師でなければならない。

4 第三者評価の結果を公表することが義務付けられている。

5 都道府県の条例で定める員数の介護支援専門員を有しなければならない

◆ポイント◆

この問題では、介護保険施設の規定について問われている。
おおまかな基準については次の通りである。
●介護老人福祉施設
〈指定(許可)権者〉 都道府県知事が指定〈指定されるもの(設置主体)〉 都道府県・市町村・社会福祉法人〈管理者〉 常勤専従(兼務可) 資格要件なし〈居室定員〉 1人〈介護支援専門員〉 利用者100人につき1人配置

●介護老人保健施設
〈指定(許可)権者〉 都道府県知事が許可〈指定されるもの(設置主体)〉 地方公共団体、医療法人、社会福祉法人など〈管理者〉 常勤専従(兼務可) 原則医師〈居室定員〉4人〈介護支援専門員〉利用者100人につき1人配置

●介護療養型医療施設
新規指定はなし(平成30年3月31日で廃止予定)現法にて規定なし

◆答えの解説◆

1=○
都道府県や市町村などの地方公共団体は、介護老人保健施設の開設が可能である。したがってこの記述は正しい。
2=×
開設許可に当たっては、市町村における介護保険事業計画との調整を図る必要があるため、関係市町村長の意見を求めなければならないとされている。都道府県議会の意見を求める必要性はないため、この記述は正しくない。
3=×
医師が管理者でなければならないのは指定介護老人保健施設であり、指定介護老人福祉施設の管理者については資格の有無などは問われていない。また、指定介護老人福祉施設の管理者は常勤の者を配置しなければならない。 したがってこの記述は正しくない。
4=×
介護保険法では第三者評価の結果を公表する義務については、基準上に規定されていない。したがってこの記述は正しくない。
5=○
介護保険施設の人員・設備・運営基準は、都道府県が定める条例に委任されている。介護支援専門員についても同条例で定めらた員数を有しなければならない。したがってこの記述は正しい。

介護支援分野:28年度-問題11

地域ケア会議の機能として正しいものはどれか。
3つ選べ。

1 個別課題の解決

2 措置入所の判定

3 地域課題の発見

4 成年後見の申し立て

5 政策の形成

◆ポイント◆

地域ケア会議とは、2015年の法改正で設置が法定化された地域包括支援センターが開催する「会議」を指し、介護保険法第115条の48第1項に定められている。目的と機能などの概要を理解しておく必要がある。
①目的
・高齢者の自立支援のためのケアマネジメント支援
・個別ケースの課題分析等を通じた地域課題の把握
②機能
・個別課題の解決 ・地域(包括)支援ネットワークの構築
・地域課題の発見 ・地域づくり・資源開発  ・政策の形成

◆答えの解説◆

1=○
地域ケア会議の機能には、他職種が共同して個別ケースの支援内容を検討し高齢者の課題解決を支援するという「個別課題の解決」がある。したがってこの記述は正しい。
2=×
地域ケア会議では、措置入所の判定は行わない。措置入所の判定を行うのは市町村であるため、この記述は正しくない。
3=○
地域ケア会議の機能には、個別ケースの課題分析等を積み重ねることにより、地域に共通した課題を浮き彫りにする「地域課題の発見」がある。したがってこの記述は正しい。
4=×
成年後見の申し立ては地域ケア会議の機能ではない。成年後見の申し立てができるのは、本人・配偶者・4親等内の親族・成年後見人等・任意後見人・成年後見監督人等・市区町村長・検察官である。したがってこの記述は正しくない。
5=○
地域に必要な取り組みを明らかにし、政策を立案・提言していくという機能が、地域ケア会議にはある。したがってこの記述は正しい。

介護支援分野:28年度-問題12

介護保険の被保険者について正しいものはどれか。
3つ選べ。

1 65歳未満の生活保護受給者は、医療保険加入者であっても資格がない。

2 65歳以上の生活保護受給者は、住所が無くても第1号被保険者となる。

3 65歳以上の生活保護受給者は、医療保険加入者であっても第1号被保険者となる。

4 年齢到達による資格取得時期は、誕生日の前日となる。

5 児童福祉法上の医療型障害児入所施設の入所者は、被保険者とならない。

◆ポイント◆

この問題は介護保険の被保険者について問われている。被保険者の資格要件やそれぞれの適用除外施設、生活保護制度等との関係性について理解しておく必要がある。
・介護保険の被保険者
第1号被保険者:市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者
第2号被保険者:市町村の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満で医療保険に加入している者
・被保険者の資格取得及び喪失(資格の得喪)については、以下の通りである。
資格の取得:原則その時効が発生したその日(当日)
資格の喪失:原則その時効が発生したその翌日
ただし、例外として、満年齢到達時においては誕生日の前日に資格を取得する、医療保険加入者でなくなった場合はその当日に資格を喪失するなどがある。

◆答えの解説◆

1=×
40歳以上65歳未満は第2号被保険者にあたり、生活保護受給者で医療保険に加入しているものであれば、第2号被保険者となる。したがってこの記述は正しくない。
2=×
「住民基本台帳法」に基づき住民基本台帳上に住所を有するものが介護保険の被保険者の資格要件であるため、住所がないものについては被保険者に該当しない。したがってこの記述は正しくない。
3=○
65歳以上の者で住所を有しているものは医療保険加入の有無にかかわらず、第1号被保険者の資格を有する。生活保護受給者においても同様である。したがってこの記述は正しい。
4=○
『民法』において、満年齢とは前日に年齢が加算されると定められている。よって、資格取得の時期である満年齢到達時とは誕生日の前日の事を指す。したがって、この記述は正しい。
5=○
介護保険適用除外施設のひとつに医療型障害児入所施設がありその入所者は児童福祉用によるサービスの受給が可能である。そのため、医療型障害児入所施設の入所者は介護保険の被保険者とはならない。したがってこの記述は正しい。

介護支援分野:28年度-問題13

指定地域密着型サービス事業者について正しいものはどれか。
3つ選べ。

1 認知症対応型共同生活介護計画は、介護支援専門員でなくても作成できる。

2 小規模多機能型居宅介護の管理者は、介護の職務に従事してはならない。

3 公募指定をするときは、市町村の条例で定める基準に従って選考する。

4 事業の設備及び運営に関する基準は、市町村の条例で定める。

5 認知症対応型通所介護事業者には、定期的な避難訓練が義務付けられている。
(注)選択肢1,2及び5は「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成18年厚生労働省令第34号)の定める内容による。

◆ポイント◆

この問題は指定地域密着型サービス事業者について問われている。各サービスの設備及び運営基準の理解や各事業所における介護支援専門員と管理者の具体的な業務内容の把握に努めなければならない。また、公募指定とは、定期巡回・随時対応型訪問介護看護等の地域密着型サービスの見込量の確保及び質の向上のために特に必要があると認めるときに市町村長が公募により選考・指定を行うことである。
・通所介護のうち小規模型は、平成28年度より地域密着型通所介護に移行された。 ・要支援者が利用できる地域密着型介護予防サービスは、認知症対応型通所介護・認知症対応型共同生活介護・小規模多機能型居宅介護の3種類である。

◆答えの解説◆

1=○
認知症対応型共同生活介護の計画作成は、一定の研修を修了した者でも可能であり、必ずしも介護支援専門員である必要はない。ただし、事業所に1人以上は介護支援専門員を配置する必要がある。したがってこの記述は正しい。
2=×
運営基準において、小規模多機能型居宅介護の管理上支障がない場合は、介護等の他の職務に従事できると定められている。 したがってこの記述は正しくない。
3=×
指定地域密着型サービス事業者の公募指定は、市町村の条例ではなく、厚生労働省令で定める基準に従って市町村長が選考する。 したがってこの記述は正しくない。
4=○
指定地域密着型サービスの人員・設備・運営基準は、市町村の条例に定められている。 したがってこの記述は正しい
5=○
運営基準において、指定地域密着型通所介護事業者は、非常災害に関する具体的計画を立てる事、定期的な避難、救出その他必要な訓練を行うことが義務付けられている。したがってこの記述は正しい。

介護支援分野:28年度-問題14

要介護認定、要支援認定の有効期間について正しいものはどれか。
3つ選べ。

1 区分変更申請の場合は、6月間が原則である。

2 区分変更申請の場合は、24月間の設定が可能である。

3 新規申請の場合は、24月間の設定が可能である。

4 新規申請の場合は、12月間の設定が可能である。

5 新規申請の場合は、3月間の設定が可能である。

◆ポイント◆

この問題では、要介護認定、要支援認定の有効期間について問われている。要介護認定の申請区分ごとの「原則」・「設定可能」の有効期間をそれぞれ覚えておく必要がある。
《新規認定申請》  原則6月間   設定可能期間 3月間~12月間
《区分変更申請》  原則6月間   設定可能期間 3月間~12月間
《更新認定申請》  原則12月間  設定可能期間 3月間~24月間

◆答えの解説◆

1=○
区分変更申請の原則の認定有効期間は、6月間である。したがってこの記述は正しい。
2=×
区分変更申請の設定可能な認定有効期間の範囲は、3~12月間である。したがってこの記述は正しくない。
3=×
新規申請の設定可能な認定有効期間の範囲は、3~12月間である。したがってこの記述は正しくない。
4=○
新規申請の設定可能な認定有効期間の範囲は、3~12月間である。したがってこの記述は正しい。
5=○
新規申請の設定可能な認定有効期間の範囲は、3~12月間である。したがってこの記述は正しい。

介護支援分野:28年度-問題15

要介護認定の広域的実施の目的として適切なものはどれか。
3つ選べ。

1 第2号被保険者の保険料の統一

2 介護認定審査会委員の確保

3 市町村間の要介護状態区分ごとの分布の統一

4 近隣市町村での公平な判定

5 認定事務の効率化

◆ポイント◆

要介護認定は保険者が行うべき業務のひとつであるが、被保険者が少ない市町村では、複数の市町村が介護認定審査会を共同設置することや要介護認定に関わる事務を都道府県や他の市町村へ委託するなど、広域的に実施することで各市町村の業務負担の軽減を図ることができる。また、広域連合や一部事務組合の活用によっても実施できる。広域的実施の目的は以下の通りである。
①介護認定審査会委員の確保 ②近隣市町村での公平な判定 ③認定事務の効率化
なお、広域連合・一部事務組合が保険者として保険運営を行う場合は、認定業務まで行うが、介護認定審査会の共同設置や事務委託の場合は、広域的に実施される事項はあくまで審査・判定業務のみで、認定については保険者である市町村が行う。

◆答えの解説◆

1=×
第2号被保険者の保険料は各医療保険者が定めることとなっており、広域的実施により統一することはなく、要介護認定との関連性もない。したがってこの記述は正しくない。
2=○
広域的実施の目的として、介護認定審査会委員の確保がある。人材不足等で委員の確保が難しい市町村も共同で介護認定審査会を設置することで、委員の確保が可能となる。したがってこの記述は正しい。
3=×
要介護認定はそもそも被保険者の状態を客観的に審査・判定するため、広域的に実施するからという理由で要介護状態区分ごとの分布を統一することはできない。したがってこの記述は正しくない。
4=○
広域的実施の目的として、近隣市町村での公平な判定がある。したがってこの記述は正しい。
5=○
認定事務の効率化は、広域的実施の目的のひとつである。認定事務を集約化することで、効率的に行うことができる。したがってこの記述は正しい。

介護支援分野:28年度-問題16

要介護認定に係る主治医意見書における「医学的管理の必要性」の項目として正しいものはどれか。3つ選べ。

1 訪問薬剤管理指導

2 訪問保清指導

3 訪問栄養食事指導

4 訪問歯科衛生指導

5 訪問飲水管理指導

◆ポイント◆

この問題は、主治医意見書について問われている。主治医意見書は要介護認定の一次判定の審査資料として主治医の医学的意見を求めるものである。この設問では、優先されるべきものを選択すれば必然と正答が導き出せる。
「医学的管理の必要性」の項目は以下の通り。
・訪問診療             ・訪問歯科診療
・訪問看護             ・訪問歯科衛生指導
・看護職員の訪問による相談・支援  ・訪問薬剤管理指導
・訪問リハビリテーション      ・訪問栄養食事指導
・通所リハビリテーション      ・その他の医療系サービス
・短期入所療養介護

◆答えの解説◆

1=○
「医学的管理の必要性」の項目に、訪問薬剤管理指導が定められている。したがってこの記述は正しい。
2=×
「医学的管理の必要性」の項目に、訪問保清指導は定められていない。したがってこの記述は正しくない。
3=○
「医学的管理の必要性」の項目に、訪問栄養食事指導が定められている。したがってこの記述は正しい。
4=○
「医学的管理の必要性」の項目に、訪問歯科衛生指導が定められている。したがってこの記述は正しい。
5=×
「医学的管理の必要性」の項目に、訪問飲水管理指導は定められていない。したがってこの記述は正しくない。

介護支援分野:28年度-問題17

要介護認定に係る主治医意見書における「サービス提供時における医学的観点からの留意事項」の項目として正しいものはどれか。 3つ選べ。

1 血圧

2 飲水

3 摂食

4 排泄

5 嚥下

◆ポイント◆

この問題は主治医意見書における「サービス提供時における医学的観点からの留意事項」の項目について問われている。健康状態や障害によってサービス提供時に注意が必要とされる項目は以下の通り(「主治医意見書の手引き」より)。
・血圧:血圧管理についてサービス提供時の留意事項があれば、具体的に記入する。また、どの程度の運動負荷なら可能なのかという点などについても記入する。
・嚥下:嚥下運動機能(舌によって食塊を咽頭に移動する随意運動、食塊を咽頭から食道へ送るまでの反射運動、蠕動運動により食塊を胃に輸送する食道の反射運動)の障害について、サービス提供時の留意事項があれば、具体的に記載する。     ・摂食:摂食について、サービス提供時の留意事項があれば、具体的に記入する。
・移動:移動(歩行に限らず、居室とトイレ間の移動やベッドと車いす・車いすと便座等への移乗なども含める)について、サービス提供時の留意事項があれば、具体的に記載する。
・運動:運動負荷を伴うサービス提供時の留意事項があれば、具体的に記載する。
特に、医学的観点からリスクが高いと判断される場合は、その状態を躯体的に記載する。

◆答えの解説◆

1=○
「サービス提供時における医学的観点からの留意事項」には、血圧についての項目がある。したがってこの記述は正しい。
2=×
「サービス提供時における医学的観点からの留意事項」には、飲水についての項目はない。したがってこの記述は正しくない。
3=○
「サービス提供時における医学的観点からの留意事項」には、摂食についての項目がある。したがってこの記述は正しい。
4=×
「サービス提供時における医学的観点からの留意事項」には、排せつについての項目がない。したがってこの記述は正しくない。
5=○
「サービス提供時における医学的観点からの留意事項」には、嚥下についての項目がある。したがってこの記述は正しい。

介護支援分野:28年度-問題18

介護予防の基本チェックリストの質問項目として正しいものはどれか。 3つ選べ。

1 15分くらい続けて歩いていますか。

2 部屋の掃除が出来ますか。

3 調理ができますか。

4  預貯金の出し入れをしていますか。

5 口の渇きが気になりますか。

◆ポイント◆

この問題は、介護予防の基本チェックリストについて問われている。
基本チェックリストは、要介護認定を受けていないが介護予防・日常生活支援総合事業を希望する者に対し、介護予防支援が必要か否かを判断するツールとして使用する。主に、訪問型サービス・通所型サービスの利用を希望する者に実施される。
6項目に分類され、それぞれ2~5つの質問事項がある。主な質問事項は以下の通り。
①運動機能の低下:「転倒に対する不安は大きいですか」「階段を手すりや壁をつたわらずに昇っていますか」など
②低栄養状態:「6か月間で2~3kg以上の体重減少がありましたか」など
③口腔機能の低下:「お茶や汁物等でむせることがありますか」「半年前に比べて固いものが食べにくくなりましたか」「口の渇きが気になりますか」
④閉じこもり:「昨年と比べて外出の回数が減っていますか」「週に1回以上は外出していますか」
⑤認知機能の低下:「周りの人から『いつも同じことを聞く』などの物忘れがあると言われますか」「自分で電話番号を調べて、電話をかけることをしていますか」など
⑥うつ病の可能性:「(ここ2週間)自分が役に立つ人間だと思えない」「(ここ2週間)毎日の生活に充実感がない」など

◆答えの解説◆

1=○
運動機能の低下の質問項目に、「15分位続けて歩いていますか。」がある。したがってこの記述は正しい。
2=×
「部屋の掃除が出来ますか。」という質問項目はない。したがってこの記述は正しくない。
3=×
「調理ができますか。」という質問項目はない。したがってこの記述は正しくない。
4=○
質問事項に、
生活機能全般の質問項目に「預貯金の出し入れをしていますか。」がある。したがってこの記述は正しい。
5=○
口腔機能の低下の質問項目に、「口の渇きが気になりますか。」がある。したがってこの記述は正しい。

介護支援分野:28年度-問題19

居宅介護支援におけるモニタリングについて正しいものはどれか。 2つ選べ。

1 地域ケア会議に結果を提出しなければならない。

2 結果の記録は、居宅介護支援完結の日から2年間保存しなければならない。

3 地域包括支援センターの指示に基づいて実施しなければならない。

4  月に1回以上、結果を記録しなければならない。

5 課題整理総括表を用いて行わなければならない。
(注)「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第38号)の定める内容による。

◆ポイント◆

この問題は居宅介護支援におけるモニタリングに関する法的なルールについて問われている。選択肢5の課題整理総括表とは、アセスメントによって課題を導き出した過程について、他職種共働の場面等で説明する際に、適切に情報共有することを目的として策定された書式である。モニタリングシートとして使用することは適切ではない。
介護支援専門員が実施するモニタリングで重要なポイントを2つ挙げておく。
・モニタリングの実施回数及び記録回数
・記録の保存

◆答えの解説◆

1=×
地域ケア会議にモニタリング結果の提出は義務付けられていない。したがってこの記述は正しくない。
2=○
利用者に対する指定居宅介護支援の提供に関する記録はその完結の日から2年間保存しなければならないとされており、モニタリングの結果も含まれている。したがってこの記述は正しい。
3=×
居宅介護支援の運営基準には、地域包括支援センターの指示に基づいて実施しなければならないという規定はない。したがってこの記述は正しくない。
4=○
介護支援専門員は、利用者の居宅を少なくとも1ヶ月に1回以上訪問しモニタリングを実施し、少なくとも1カ月に1回は記録を残す義務がある。したがってこの記述は正しい。
5=×
モニタリングの記録用紙に課題整理総括表を用いなければならないという規定はなく、任意のものを使用することができる。

介護支援分野:28年度-問題20

介護予防サービス・支援計画書作成におけるアセスメント領域として正しいものはどれか。
2つ選べ。

1  認知機能

2 日常生活(家庭生活)

3 介護力

4  生活歴

5 社会参加、対人関係・コミュニケーション

◆ポイント◆

介護予防サービス・支援計画書を作成する際は、本人・家族の意欲や意向を踏まえ、4つのアセスメント領域ごとにそれぞれ課題分析を行い、基本チェックリストの結果なども勘案し総合的な支援に繋げる必要がある。以下に4つのアセスメント領域をまとめている。
①運動・移動:自ら行きたい場所へ様々な手段を活用して、移動できるかどうか乗り物を操作する、歩く、走る、昇降する、様々な交通を用いることによる移動を行えているかどうかについて確認する。
②日常生活(家庭生活):家事(買い物・調理・掃除・洗濯・ゴミ捨てなど)や住居・経済の管理・花木やペットの世話などを行っているかどうかについて確認する。
③社会参加、対人関係・コミュニケーション:状況に見合った適切な方法で、人々と交流しているか。また、家族、近隣の人との人間関係が保たれているかどうか。
仕事やボランティア活動、老人クラブや町内会行事への参加状況や、家族内や近隣における役割の有無などの内容や程度はどうかについて確認する。
④健康管理:清潔・整容・口腔ケアや、服薬、定期受診が行えているかどうか。また、飲酒や喫煙のコントロール、食事や運動、休養など健康管理の観点から必要と思われた場合、この領域でアセスメントする。特に、高齢者の体調に影響する、食事・水分・排泄の状況については、回数や量などを具体的に確認する。

◆答えの解説◆

1=×
介護予防サービス支援計画書作成のアセスメント領域に、認知機能は該当しない。したがってこの記述は正しくない。
2=○
介護予防サービス・支援計画書作成のアセスメント領域に、日常生活(家庭生活)は該当する。したがってこの記述は正しい。
3=×
介護予防サービス・支援計画書作成のアセスメント領域に、介護力は該当しない。したがってこの記述は正しくない。
4=×
介護予防サービス・支援計画書作成のアセスメント領域に、生活歴は該当しない。したがってこの記述は正しくない。
5=○
介護予防サービス・支援計画書作成のアセスメント領域に、社会参加、対人関係・コミュニケーションは該当する。したがってこの記述は正しい。

介護支援分野:28年度-問題21

指定介護老人福祉施設の施設サービス計画について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 地域住民の自発的は活動を位置付けるよう努める。

2 作成にかかるサービス担当者会議の開催等を要する。

3 入所者の家族にも必ず交付しなければならない。

4 施設の行事や日課を記載する。

5 月に1回はモニタリングを行わなければならない。

◆ポイント◆

施設サービス計画の作成について問われている。指定介護老人福祉施設の介護支援専門員は、施設サービス計画の作成に関する主な業務を担当し、入所者の日常生活全般を支援する観点に立って、総合的な計画を作成しなければならない。そのためには、入所者が日常生活全般の中で抱えるニーズを把握・分析し、サービス担当者会議などにより専門的な意見の聴収や定期的に入所者と面接して行うモニタリングの実施が義務付けられている。

◆答えの解説◆

1=○
インフォーマルサービスと呼ばれる地域住民の自発的は活動等を位置付けることによって、総合的・包括的な施設サービス計画となるよう努めなければならない。したがってこの記述は正しい。
2=○
居宅サービス計画の作成と同様、施設サービス計画を作成する際は、サービス担当者会議の開催が必要である。したがってこの記述は正しい。
3=×
施設サービス計画を作成した際は、その計画書を入所者に交付しなければならないが、必ずしもその家族にも交付する必要はない。したがってこの記述は正しくない。
4=○
指定介護老人福祉施設サービスの内容に、施設の行事や日課が含まれるため、施設サービス計画に記載しなければならない。したがってこの記述は正しい。
5=×
居宅サービス計画の場合は月に1回という規定があるが、施設サービス計画においては「定期的に入所者と面接すること」「定期的にモニタリングの結果を記録すること」と定められている。したがってこの記述は正しくない。

介護支援分野:28年度-問題22

サービス担当者会議について正しいものはどれか。
2つ選べ。

1 特記事項を書いた認定調査員は、出席しなければならない。

2 地域包括支援センターの主任介護支援専門員は、出席しなければならない。

3 利用者が要支援更新認定を受けた場合は、開催するのが原則である。

4 介護予防サービス計画の原案の内容について、担当者から意見を求める。

5 施設サービス計画の原案を作成するため、常に開催しなければならない。
(注1)選択肢1は「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第38号)の定める内容による。
(注2)選択肢2,3及び4は「指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準」(平成18年厚生労働省令第37号)の定める内容による。
(注3)選択肢5は「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第39号)の定める内容による。

◆ポイント◆

サービス担当者会議は、各サービス担当者と利用者等の情報を共有し、ケアプラン原案の内容について意見を求める場であり、担当する介護支援専門員が開催する。
各計画におけるサービス担当者会議についての手順を、それぞれ理解しておく必要がある。
・居宅サービス計画の場合:効率的かつ実現可能な質の高い居宅サービス計画とするため、利用者や家族、指定居宅サービスなどの担当者からなるサービス担当者会議の開催により、専門的な見地からの意見を求め調整を図る。また、やむを得ない理由(開催の日程調整を行ったが、サービス担当者の事由により、サービス担当者会議への参加が得られなかったなど)がある場合は、サービス担当者に対する照会などで意見を求めるなど緊密に相互の情報交換を行う必要がある。
・施設サービス計画の場合:目標を達成するため、サービス担当者会議の開催又は当該担当者への照会などにより、専門的な見地からの意見を求め調整を図る。
・介護予防サービス計画の場合:利用者や家族、指定介護予防サービスの担当のほか、インフォーマル支援関係者などからなるサービス担当者会議を、予防給付の利用時・変更時または必要時に応じて開催する。また、参加が得られない場合については、居宅サービス計画と同様である

◆答えの解説◆

1=×
サービス担当者会議には、認定調査員の出席は義務付けられていない。したがってこの記述は正しくない。
2=×
サービス担当者会議には、地域包括支援センターの主任介護支援専門員の出席は義務付けられてはいない。ただし、困難事例等の場合に担当する介護支援専門員から求められれば必要な助言を行うことは可能である。したがってこの記述は正しくない。
3=○
サービス担当者会議は、利用者が要支援更新認定を受けた場合は原則開催しなければならない。したがってこの記述は正しい。
4=○
介護予防サービス計画の原案を作成した際には、その内容に対して、各サービス担当者から専門的な見地に基づいた意見を求め、介護予防サービス計画を作成する。したがってこの記述は正しい。
5=×
居宅・施設に関わらず、サービス担当者会議はサービス計画の原案を作成した後に開催する。したがってこの記述は正しくない。

介護支援分野:28年度-問題23

居宅介護支援のアセスメントについて正しいものはどれか。
2つ選べ。

1 認定調査員に委託できる。

2 指定市町村事務受託法人に委託できる。

3 居宅サービス計画原案を示しながら行う。

4 利用者の有する能力を評価する。

5 利用者の置かれている環境等を評価する。

◆ポイント◆

居宅介護支援におけるアセスメント(課題分析)について問われている。
客観的な課題分析を行うための目安として「課題分析標準項目」が提示されている。
アセスメントを行う際の重要な視点についてまとめた。
・情報の収集:主観的情報(利用者の訴え)と、客観的情報(利用者を観察して理解したことや、家族や他職種の意見など)を多角的に収集する。
・情報の解釈・関連づけ・統合化:「正確な事実であるか」「すべての情報を収集したか」「先入観や偏見を持たずに収集したか」などの視点を持って収集した情報について、利用者の望む生活についてさらに検討を深めていく。
・課題の明確化:情報について「顕在的課題」「顕在的課題の要因」「潜在的課題」
について明確にする。計画に結び付けていくための重要な段階である。

◆答えの解説◆

1=×
アセスメントは介護支援専門員の必須業務であるため、認定調査員に委託することはできない。したがってこの記述は正しくない。
2=×
選択肢1と同様、指定市町村事務受託法人に委託することはできない。したがってこの記述は正しくない。
3=×
居宅サービス計画の原案を作成する前にアセスメントを行わなくてはならない。したがってこの記述は正しくない。
4=○
アセスメントとは、利用者の有する能力や実行状況などを評価し、生活課題を導き出す事である。したがってこの記述は正しい。
5=○
アセスメントとは、介護者の状況、すでに提供を受けているサービスなど利用者を取り巻く環境を評価し、課題を把握することである。したがってこの記述は正しい。

介護支援分野:28年度-問題24

居宅介護支援の開始について適切なものはどれか。
3つ選べ。

1 時期は、要介護認定後である。

2 利用申込者の同意を得なければならない。

3 あらかじめ、苦情処理の体制について説明しなければならない。

4 障害者施策の相談支援専門員を介して依頼が来る場合がある。

5 入院患者については、退院後でなければならない。
(注)選択肢2及び5は「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第38号)の定める内容による。

◆ポイント◆

この問題は居宅介護支援の開始(効力の発生時期)について問われている。
障害者施策の相談支援専門員について、以下にまとめた。
・障害者等のサービス等利用計画などをを策定する専門職として「障害者の日常生活および社会生活を総合的に支援するための法律」(障害者総合 支援法)に位置付けられている。
・相談支援専門員として従事することが出来るのは、一定の実務経験を持ち、相談支援従事者初任者研修を終了したものである(試験はなし)。
・相談支援専門員は、特定相談支援事業所に所属する(障害サービス事業所と併設し
ている場合が多い)。
・相談支援専門員は、高齢者の居宅サービス計画作成を行うことは出来ない。

◆答えの解説◆

1=×
居宅介護支援は、認定申請前や認定申請中であっても開始することが出来る。したがってこの記述は正しくない。
2=○
居宅介護支援の運営基準には、「あらかじめ重要事項を記した文書を交付して説明を行い、居宅介護支援の提供の開始について利用申込者の同意を得なければならない」とされている。したがってこの記述は正しい。
3=○
居宅介護支援の開始時には、苦情処理の体制、事故発生時の対応、秘密保持等について運営規定の概要などを説明しなければならない。したがってこの記述は正しい。
4=○
障害者が65歳に到達した場合は、介護保険の被保険者となり、利用するサービスについては介護保険サービスが優先される。相談支援専門員が居宅サービス計画を作成することはできないため、相談支援専門員から依頼を受ける場合もある。したがってこの記述は正しい。
5=×
入院中であっても、退院に向けた取り組みとして居宅介護支援を開始することが出来る。したがってこの記述は正しい。

介護支援分野:28年度-問題25

大地震があり、自分が担当する認知症の利用者及びその家族と非難所で面接した。利用者は興奮気味であり、歩き回ったり、大声を出したりして、他の避難者から迷惑がられているように見えた。介護支援専門員の対応として、より適切なものはどれか。
2つ選べ。

1 避難者の迷惑を考え、利用者本人だけ外の車の中で生活するよう勧めた。

2 家族も大変なので、非難所のリーダーの監視下に置いてもらった。

3 外の混乱している様子が分からないよう、段ボールの小部屋に隔離した。

4 福祉非難所に移れないか、地域包括支援センターの職員に相談した。

5 周りの避難者に理解と協力を求めた。

◆ポイント◆

この問題は事例を通して介護支援専門員がとるべき対応について問われている。この事例では、「利用者は興奮気味である」「周りが迷惑がっている」の2つがポイントであり、利用者本位・自己決定・連携などのキーワードを考えながら正答を導き出さなくてはならない。また、特別な配慮が求められる高齢者や障害を持った方などが災害時に利用できる福祉避難所についても認識しておく必要がある。

◆答えの解説◆

1=×
利用者本人だけが車の中で過ごすということは不安の増強につながるとともに、利用者本位の考え方ではないため、介護支援専門員の対応として適切ではない。したがってこの記述は正しくない。
2=×
不安を感じている利用者を家族と引き離して避難所のリーダーの監視下に置くというのは適切ではなく、利用者本位の考え方ではない。したがってこの記述は正しくない。
3=×
周りが迷惑がっているからという理由であっても、利用者本人を隔離することは、行動を制限する行為であり利用者本位ではない。したがってこの記述は正しくない。
4=○
不安が続き興奮状態が収まらない場合は、福祉避難所への移動できるかどうか地域包括支援センターへ相談することは適切な対応と言える。したがってこの記述はただしい。
5=○
周りの理解と協力が得られるよう働きかけることは、介護支援専門員に求められる役割であり、利用者本位を重視する上で大切な事である。したがってこの記述は正しい。

山口あき子
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