保健医療サービスの知識等(基礎):2014年-問題26
BPSD(認知症の行動・心理状態)について正しいものはどれか。
3つ選べ。
1 周囲の人々を驚かせたり、理解できない行動や言動を示したりすることが多い。
2 症状悪化の要因のうち最も多いのは、身体合併症である。
3 認知症では、必ず出現する症状である。
4 非薬物療法を行う場合の原則は、精神的安定を図ることである。
5 BPSDを起こしやすい要因として、孤立・不安、不適切な住環境、睡眠等の生活リズムの乱れなどがある。
◆ポイント◆
「BPSD」とは周辺症状であり、認知症の中核症状(認知症になると必ず出現する症状)に伴い二次的に起こる症状である。幻視・幻覚や徘徊、妄想など、周囲の人を驚かせたり、理解できない行動や言動を示したりするため、どのように対応したらよいかわからないケースも多くある。認知症の症状については、中核症状と周辺症状(BPSD)の区別とその内容について理解しておきたい。
◆答えの解説◆
1=○
BPSDは周囲の人々を驚かせたり、理解できない行動や言動を示したりすることが多く、しばしば介護者や家族、友人との関係を悪化させることもある。
2=×
BPSDの症状悪化の要因で最も多いのは、不適切な薬剤の利用といわれている(「認知症の『周辺症状』(BPSD)に対する医療と介護の実態調査とBPSDに対するチームアプローチ研修事業の指針策定調査報告書」による)。
3=×
認知症で必ず出現する症状は、中核症状と呼ばれる。
4=○
精神的安定を図ることにより、BPSDの一定の緩和が期待される。
5=○
その他として、不適切なコミュニケーション、ネグレクト、過干渉、認知症の進行や不適切な薬物の使用なども挙げられている。
保健医療サービスの知識等(基礎):2014年-問題27
老年期うつ病について正しいものはどれか。
3つ選べ。
1 発症のきっかけは、配偶者や友人などとの死別、仕事からの引退、疾病の罹患などである。
2 若年者と比較して、気分の落ち込みが目立たないという特徴がある。
3 不安、焦燥感、情緒の不安定さはあまり見られない。
4 若年者と異なり、自殺企図につながる危険性は低い。
5 抗うつ薬を服用している場合には、眠気、口渇、便秘などの副作用が現れやすい。
◆ポイント◆
老年期うつ病は老年期気分障害の1つであり、うつ病に関しては最近出題も多いため、正しく理解しておく必要がある。老年期うつ病の症状についてまとめておく。
①不安・いらいら感を示しやすい:自殺の危険が高まる
②心気的傾向を示しやすい:全身倦怠感や疲労感など身体症状を訴える
③妄想を示しやすい:罪業妄想や貧困妄想などを抱く
④認知症様状態を示しやすい:ぼんやりとし、動作や反応が遅くなる
◆答えの解説◆
1=○
うつ病の要因は生物学的要因が挙げられるが、老年期に初発するうつ病は、環境要因(配偶者や友人などとの死別、仕事からの引退など)や身体要因(疾病の罹患など)が多くみられる。
2=○
若年者に比べると気分の落ち込みが目立たないため、自殺念慮に気づかず、自殺してしまうケースが多くみられる。
3=×
老年期うつ病は不安、焦燥感(いらいら感)、情緒の不安定さがよくみられる。
4=×
若年者のうつ病より、老年期うつ病の方が自殺企図につながる危険性が高い。
5=○
抗うつ薬の副作用として、特に高齢者では、眠気、ふらつき、口渇、便秘、尿閉などが出やすい。
保健医療サービスの知識等(基礎):2014年-問題28
次の記述について正しいものはどれか。
3つ選べ。
1 パーキンソン病が介護保険の特定疾病に該当するためには、ホーエン&ヤールのステージⅢ以上である必要がある。
2 薬剤性パーキンソン症候群は、抗精神病薬や胃腸薬などの使用で起こりうる。
3 介護職員は、喀痰吸引等研修を修了し、都道府県知事から認定証の交付を受けた場合に、痰の吸引を行うことができる。
4 難病患者が障害者総合支援法による障害者福祉サービスを受けるためには、身体障害者手帳を所持しなければならない。
5 末期の悪性腫瘍の患者は、介護保険の訪問看護は利用できない。
(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)」のことである。
◆ポイント◆
医療全般に関する問題である。出題されている語句についてまとめておく。
・パーキンソン病:介護保険の特定疾病となっている。4大運動症状(振戦・筋固縮・無動・姿勢反射障害)を主とする神経変性疾患である。起立性低血圧、排尿障害などの自律神経症状なども呈する。
・悪性腫瘍:悪性新生物(がん)のこと。介護保険の特定疾病に位置づけられているが、末期(医師が、一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したもの)であることが条件となる。
◆答えの解説◆
1=×
パーキンソン病は、重症度に関係なく、介護保険の特定疾病に該当する(重症度が関係するのは、厚生労働省が定めた特定疾患治療研究事業の対象疾患である)。
2=○
薬剤性パーキンソン症候群は、主に一部の胃腸薬や抗精神病薬などの医薬品でみられることがある。
3=○
社会福祉士及び介護福祉士法の改正によって、2012(平成24)年4月より、介護職員が喀痰吸引等研修を修了し、都道府県知事から認定証の交付を受けた場合に、痰の吸引を行うことができる。
4=×
障害者総合支援法では、難病患者も対象者となるため、身体障害者手帳の所持がなくても障害福祉サービスを利用することができる。
5=○
末期の悪性腫瘍の患者が訪問看護を利用する場合、医療保険の適用となる。
保健医療サービスの知識等(基礎):2014年-問題29
高齢者に接種が推奨されるワクチンとして、より適切なものはどれか。
2つ選べ。
1 肺炎球菌ワクチン
2 子宮頸がんワクチン
3 インフルエンザワクチン
4 BCGワクチン
5 B型肝炎ワクチン
◆ポイント◆
ワクチンに関する問題である。それぞれのワクチンについてまとめておく。
・肺炎球菌ワクチン:成人における重症の肺炎球菌感染症のうち、原因の約7割を占める肺炎球菌に対して効果を発揮するワクチンである。
・子宮頸がんワクチン:子宮頸がんの原因とされる、ヒトパピローマウイルスの感染を予防するためのワクチンである。
・インフルエンザワクチン:インフルエンザの発病防止や重症化防止に有効であるとされている。
・BCGワクチン:結核を予防するためのワクチンである。
・B型肝炎ワクチン:B型肝炎ウイルスによる急性肝炎や、将来における肝硬変、肝がんを予防するワクチンである。
◆答えの解説◆
1=○
2014(平成26)年10月1日から高齢者を対象とした5年ごとの定期接種が開始された。
2=×
子宮頸がんワクチンは、中学1年生となる年度に接種が開始される。
3=○
高齢者では重症化することが多く、まれに死に至るため、高齢者への接種が推奨されている。
4=×
BCGワクチンは、主に乳幼児期に接種することにより効果を発揮する。
5=×
B型肝炎ワクチンは、乳幼児期や母子感染予防のために接種されるものである。将来の肝がんの予防としても期待される。
保健医療サービスの知識等(基礎):2014年-問題30
呼吸管理について適切なものはどれか。
3つ選べ。
1 人工呼吸器を装着している場合には、停電に備えて、バッテリー内蔵の吸引器又は手動式や足踏み式の吸引器を備えておく。
2 在宅酸素療法で使用するボンベの航空機内への持ち込みは、すべて禁止されている。
3 在宅酸素療法は、入院しなければ導入の判断はできない。
4 在宅人工呼吸療法には、気管切開や挿管を行わない方法もある。
5 在宅人工呼吸療法を導入する場合には、家族がアンビューバッグの使い方を習得する必要がある。
◆ポイント◆
呼吸管理に関する問題である。在宅で行うことができる医療管理についてまとめておく。
・在宅酸素療法:在宅で酸素投与が必要な患者に行うものである。慢性閉塞性肺疾患患者が最も多く、なかでも肺気腫が多いとされている。家庭内の生活だけでなく、外出も可能となってきている。
・気管切開:頸部正中を切開し、人工呼吸器のチューブを挿入して行う。病状が安定した場合は、器械を外すことも可能である。また、近年は、在宅での管理も容易となり、人工呼吸器自体がコンパクトで性能も上がっているため、外出も可能となってきている。
◆答えの解説◆
1=○
人工呼吸器は電動であるため、停電になると作動しなくなる。その結果患者の生命の危険にまで及ぶため、常に停電に備えておく必要がある。
2=×
医療用の酸素ボンベは、一部の路線を除き、航空機内へ持ち込むことができる。
3=×
在宅酸素療法の導入の判断は、入院しなくても可能である。
4=○
在宅人工呼吸療法には、鼻マスクや顔マスクなど、気管切開や挿管を行わない方法もある。
5=○
在宅人工呼吸療法を導入する場合、人工呼吸器がうまく作動しなくなったときなどを想定して、家族がアンビューバッグの使い方を習得しておく必要がある。
保健医療サービスの知識等(基礎):2014年-問題31
高齢者の飲酒問題に関して適切なものはどれか。
3つ選べ。
1 退職や配偶者の死をきっかけに、飲酒問題が顕在化する場合がある。
2 アルコール依存症は、本人の意志や性格の問題である。
3 高齢者の過度の飲酒は、脳血管障害、骨折、認知症のリスク因子である。
4 アルコール依存症は、飲酒をやめれば能力障害が生じないと判断されているため、精神障害者保健福祉手帳の対象外である。
5 家族関係が希薄な場合には、飲酒問題に気づくのが遅れることがある。
◆ポイント◆
飲酒はアルコール依存症に至るケースが多いため、アルコール依存症についてまとめておく。
・アルコール依存症
高齢者の精神疾患として現れることがある。高齢になってからの飲酒問題の原因としては、自分自身の体力低下、定年退職、孤独感、生きがいの喪失などの心理的ストレスが大きく考えられる。
治療法としては、まず断酒をすることを第一とし、楽しみがもてるような支援を行っていくことが重要である。そのために、断酒会などの社会的コミュニティヘの参加などを積極的に進めていく必要がある。
◆答えの解説◆
1=○
飲酒問題の顕在化については、退職や配偶者の死などの心理的ストレスが考えられる。
2=×
アルコール依存症は、本人の意志や性格の問題がすべてではなく、習慣飲酒の発展などの環境的な要因や対人関係上のストレスなどの心理的な要因も大きく関係してくる。
3=○
高齢者が過度に飲酒をすることは、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害、転倒による骨折、認知症などの発症リスクを高めることにつながる。
4=×
厚生労働省保健医療局長通知「精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について」によると、アルコールなどの嗜好品による精神疾患についても精神障害者保健福祉手帳の対象となる。
5=○
飲酒問題に気づくのは家族が多いため、家族関係が希薄な場合、気づくのが遅くなる可能性がある。
保健医療サービスの知識等(基礎):2014年-問題32
褥瘡について、より適切なものはどれか。
2つ選べ。
1 身体の清潔の援助は、全身の皮膚を観察し、早期に褥瘡を発見する機会となる。
2 褥瘡ケアは、訪問看護師などの専門職が行うため、介護職に対する教育は必要ない。
3 褥瘡予防のための皮膚のマッサージを行う際には、血液の循環を促すため、発赤部位について特に丁寧に行う必要がある。
4 感覚障害のある在宅療養者は、褥瘡が生じやすい。
5 車いすを利用し、姿勢維持が困難な者には、皮膚や軟部組織にかかる圧力やずれを減らすため、円座を利用する。
◆ポイント◆
褥瘡についての問題である。ここでは、褥瘡のできやすい部位についてまとめておく。
・あおむけ:後頭部、肩甲骨、肘、仙骨部、かかと
・うつぶせ:耳たぶ、肩、膝、足の指、女性の場合は乳房、男性の場合は性器
・横向き:耳たぶ、肩、肋骨、腰骨、膝、太ももの付け根、くるぶし
・車いす:尾骨、太ももの後ろ側
◆答えの解説◆
1=○
褥瘡は外からは発見しにくい疾患である。よって、排泄や入浴、身体の清潔の介助の際に皮膚の観察を行い、早期発見に努めることが重要である。
2=×
褥瘡を最初に発見するのは介護者である可能性が高いため、介護者に対する褥瘡ケアの教育は必要である。
3=×
褥瘡予防のための皮膚マッサージは、血液の循環を促すため、発赤部位周辺に行うものであって、発赤部位(患部)に行ってはならない。
4=○
感覚障害のある在宅療養者は、痛みを感じにくいため、いつの間にか褥瘡ができているというケースが少なくない。
5=×
円座は、血管を圧迫したり、体位を制限し、一部分の圧迫につながったりすることなどから、使用は好ましくないとされている。
保健医療サービスの知識等(基礎):2014年-問題33
次の記述について適切なものはどれか。
3つ選べ。
1 胃ろうを造設しても、誤嚥性肺炎のリスクがなくなるわけではない。
2 医師・歯科医師が麻薬を処方する場合には、麻薬施用者免許は不要である。
3 円背や骨盤後傾のある高齢者の立位では、重心が後方にあるため、バランスを崩しやすい。
4 インスリン注射は、医師の指示があれば、介護職員も行うことができる。
5 パーキンソン病患者に対してリハビリテーションを行う場合には、薬効などによる体調の変化が大きいため、患者の身体の動きやすさの変化に注意する。
◆ポイント◆
医療全般に関する問題である。ここで出題されている語句について簡単にまとめておく。
・誤嚥性肺炎:本来は食道に入るべき食塊が、誤って気道に入り、それが肺の中で炎症を起こす肺炎。高齢者に多くみられる。
・インスリン注射:糖尿病患者で、体内においてインスリン(膵臓のランケルハンス島から出るホルモンで、血糖値を下げる役割を担う)が不足することにより、外部からインスリンを取り入れるために行う注射。
・円背:さまざまな原因により、背骨が曲がってしまう状態をいう。高齢者では、骨粗鬆症による脊椎圧迫骨折で起こることが多い。
◆答えの解説◆
1=○
胃ろうを造設しても、口腔内を清潔にしておかなければ細菌が繁殖し、誤嚥性肺炎を起こすことがある。
2=×
医師・歯科医師が麻薬を処方する場合は、麻薬施用者免許は必要とされている。
3=○
円背や骨盤後傾のある高齢者は、重心が後方にあるため、立位のバランスがとりづらく、後方に転倒してしまう危険性がある。
4=×
インスリン注射は、医行為等に該当するため、たとえ医師の指示があったとしても介護職員が行うことはできない。
5=○
パーキンソン病患者は、1日の中でも薬が効いている時間とそうでない時間があるため、それに伴う体調の変化や身体の動きなどに応じてリハビリテーションを行う必要がある。
保健医療サービスの知識等(基礎):2014年-問題34
高齢者の栄養・食生活について、より適切なものはどれか。
3つ選べ。
1 納豆、クロレラ、青汁に含まれるビタミンKは、一部の抗凝固薬の効果を減弱させる。
2 高齢者は、代謝・吸収の機能が低下するが、栄養補助食品を使用することは控える。
3 ビタミンBの欠乏により、口角炎や脂漏性皮膚炎が生じることがある。
4 食欲不振は、消炎鎮痛剤等の薬剤が原因のこともある。
5 在宅での経管栄養剤は、食品の扱いとなるため、すべて自己負担となる。
◆ポイント◆
高齢者の栄養・食生活に関する問題である。学習を進めていくなかで、栄養に関する知識はつけておきたいものである。ここでは出題されている2種のビタミンについて簡単にまとめておきたい。
・ビタミンK:血液の凝固や組織の石灰化にかかわっている脂溶性ビタミンである。欠乏すると出血傾向となり、骨粗鬆症や動脈硬化に関連するといわれている。
・ビタミンB:脂肪や炭水化物及びタンパク質の代謝や呼吸など、正常な発育に必要とされる。欠乏すると成長の停止や皮膚炎などを引き起こす。
◆答えの解説◆
1=○
ビタミンKは、抗血液凝固薬の薬効を減弱させることが知られており、抗血液凝固薬を服用している患者は、ビタミンKの過剰摂取は禁忌とされている。
2=×
高齢者は代謝・吸収の機能は低下するが、栄養補助食品の使用を控える必要はない。
3=○
ビタミンBの欠乏症として、口角炎や脂漏性皮膚炎が挙げられる。
4=○
消炎鎮痛剤の副作用として、胃部不快感や腹痛、嘔吐、食欲不振などが挙げられる。
5=×
経管栄養剤には、医療保険の適用となるものもある。
保健医療サービスの知識等(基礎):2014年-問題35
次の記述について、より適切なものはどれか。
3つ選べ。
1 口から食べることは、必要なエネルギー補給だけでなく、口腔の自浄作用が期待できる。
2 食事介助では、本人に頭部後屈の姿勢をとらせることが望ましい。
3 経管栄養を行っている場合には、食事後はすぐに水平に臥床させることが望ましい。
4 嚥下機能が低下した人に一律にキザミ食を提供することは、誤嚥や窒息を引き起こすおそれがある。
5 食後の口腔ケアを1日1回しか行えない場合には、肺炎予防のためにも夕食後に行うことが望ましい。
◆ポイント◆
食事介助と口腔ケアに関する問題である。口腔ケアについての知識は重要であるため、押さえておきたい。
・口腔の役割:咀嚼・嚥下・発音・呼吸の4つがある。
・口腔ケアは介護の基本:誤嚥性肺炎の予防(食事を口腔からとらない利用者にとっても重要)。
・口腔ケアの方法:ブラッシングとフロッシング(機械的清掃法)・リンシング(化学的清掃法)。
・義歯の手入れ:取り外し、流水下でブラッシング。就寝時は専用液に浸しておく。
◆答えの解説◆
1=○
食事は「できるだけ口から食べること」という考え方が重要であり、口腔より摂取することで唾液の分泌が増え、口腔内の自浄作用が期待できる。
2=×
食事介助は、あごを引き、やや前屈になって行う。頭部後屈(ふんぞり返る姿勢)で行うと、誤嚥する危険性が高まる。
3=×
経管栄養を行っている場合、すぐに水平に臥床すると、流入物が逆流するおそれがあるため、30分程度ファーラー位もしくはセミファーラー位の状態を保ってお<。
4=○
嚥下機能の低下は利用者によって状態が異なるため、一律にキザミ食を提供するのは好ましくない。
5=○
食後の口腔ケアは毎食後行うことが望ましいが、1日1回しかできない場合は、夕食後に行うのが望ましいとされている。
保健医療サービスの知識等(基礎):2014年-問題36
訪問看護について正しいものはどれか。
2つ選べ。
1 緊急時訪問看護加算は、1人の利用者に対し、複数の事業所について算定できる。
2 訪問看護事業所の従業員は、すべて看護師又は保健師でなければならない。
3 指定訪問看護事業所が指定訪問介護事業所と連携し、吸引等の指定行為業務を支援した場合には、看護・介護職員連携強化加算が算定できる。
4 退院又は退所にあたり、指定訪問看護ステーションの看護師等が、病院等の主治の医師その他の職員と共同し、在宅での療養上必要な指導を行い、その内容を文書により提供した後に訪問看護を行った場合には、退院時共同指導加算が算定できる。
5 在宅の利用者に対して、その死亡日及び死亡日前1か月以内に2日以上ターミナルケアを行った場合は、ターミナルケア加算が算定できる。
◆ポイント◆
訪問看護の人員基準についてまとめておく。
病院・診療所と訪問看護ステーションとでは、人員基準に違いがある。
・病院・診療所:指定訪問看護の提供にあたる看護職員を適当数配置する。
・訪問看護ステーション:看護職員(保健師・看護師・准看護師)を常勤換算で2.5人以上配置する。また、必要に応じて理学療法士・作業療法士・言語聴覚士を適当数配置する。管理者は、事業所の管理運営に関する能力を有する保健師・看護師(准看護師はなることができない)。
◆答えの解説◆
1=×
緊急時訪問看護加算は、利用者の同意を得て、24時間連絡できる体制にあり、かつ緊急時訪問を行う場合、1人の利用者に対し、1つの指定訪問看護事業者が算定することができる。
2=×
訪問看護事業所の従業員は、准看護師でもよい。
3=○
看護・介護職員連携強化加算は、指定訪問介護事業所と連携し、吸引等の特定行為業務を支援した場合に、1月に1回加算される。
4=○
退院時共同指導加算は、退院または退所に当たり、指定訪問看護ステーションの看護師等が、病院等の主治の医師その他の職員と共同し、在宅での療養上必要な指導を行い、その内容を文書により提供した後に訪問看護を行った場合、当該退院または退所につき1回(特別な管理を必要とする利用者については2回)算定される。
5=×
ターミナルケア加算は、その死亡日及び死亡日前14日以内に訪問看護を行った場合に算定される。
保健医療サービスの知識等(基礎):2014年-問題37
高齢者虐待について正しいものはどれか。
3つ選べ。
1 通報等により高齢者を保護しなければ生命に危険がおよぶと推測される場合には、市町村は、迅速に必要な保護のための措置等を講じなければならない。
2 『厚生労働省調査』における「要介護施設従事者等による高齢者虐待」の種別で最も多いのは、身体的虐待、次いで心理的虐待である。
3 『厚生労働省調査』における「養護者による高齢者虐待」の相談・通報者で最も多いのは、介護支援専門員である。
4 『厚生労働省調査』における「養護者による高齢者虐待」の虐待者の続柄で最も多いのは、夫である。
5 高齢者虐待の通報では、個人情報保護のため、家族の了解を得た上で、通報しなければならない。
(注)『厚生労働省調査』とは、厚生労働省老健局高齢者支援課認知症・虐待防止対策推進室による「平成24年度高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査」のことである。
◆ポイント◆
高齢者虐待について知っておきたい事項をまとめておく。
・被虐待者の状況
性別:女性が多い。
年齢等:75歳以上の方が多い。認知症高齢者が多い。
・養護者の状況
続柄:息子が一番多い。夫、娘と続く。
内容:身体的虐待が圧倒的に多い。また、同居している家族が虐待をするケースが非常に多い。
◆答えの解説◆
1=○
市町村は、通報等により高齢者を保護しなければ生命に危険が及ぶと推測される場合には、速やかに対応しなければならない。
2=○
虐待の種別で最も多いのは、身体的虐待であり、次いで心理的虐待となっている。
3=○
虐待に関する相談・通報者で最も多いのは、介護支援専門員となっている。
4=×
虐待者の続柄で最も多いのは、息子であり、次いで夫となっている。
5=×
個人情報保護法による制限は、高齢者虐待の相談・通報には適用されないとされているため、この場合は家族の了解を得る必要はない。
保健医療サービスの知識等(基礎):2014年-問題38
次の記述について適切なものはどれか。
2つ選べ。
1 要介護4又は5と認定された者のみが、短期入所療養介護を利用できる。
2 介護保険施設における食事代や理美容代については、入所者の同意がなくても、徴収することができる。
3 口腔衛生管理体制加算は、歯科医師又は歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、介護職員に対する口腔ケアに係る技術的助言及び指導を月1回以上行った場合に、算定することができる。
4 入所前後訪問指導加算は、介護老人保健施設の入所者が、居宅でなく他の社会福祉施設に入所する際にも、その者の同意を得て実施する場合に、算定することができる。
5 介護保険施設の入所者に認知症の行動・心理症状が認められるため、医師が往診した場合には、認知症行動・心理症状緊急対応加算を算定することができる。
◆ポイント◆
医療全般に関する問題である。ここでは、短期入所療養介護についてまとめた。
・短期入所療養介護:病院や介護老人保健施設等で行われるショートステイである。「介護、医学的管理のもとにおける介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話」を行う。また、医療的ニーズを有している利用者の介護者に対する介護負担軽減(レスパイトケア)として重要な役割を担っている。
◆答えの解説◆
1=×
短期入所療養介護は、要介護1~5の認定を受けた者か利用することができる。
2=×
介護保険施設において、食事代や理美容代は保険給付の対象外であるが、利用者の同意のもとで利用する場合は利用料として徴収することができる。
3=○
口腔機能維持管理体制加算※とは、介護老人保健施設等において、歯科医師または歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、介護職員に対する口腔ケアにかかる技術的助言及び指導を月1回以上行った場合に算定することができる。
4=○
入所前後訪問指導加算は、介護老人保健施設の入所者が、居宅でなく他の社会福祉施設等に入所する際にも、その者の同意を得て当該社会福祉施設等を訪問し実施する場合に算定することができる。
5=×
認知症行動・心理症状緊急対応加算は、医師が認知症の行動・心理症状が認められるため、緊急に入所することが適当であると判断した場合に算定される。
※口腔機能維持管理加算は、平成27年度から口腔衛生管理体制加算に変わる見通しである。
保健医療サービスの知識等(基礎):2014年-問題39
介護老人保健施設について正しいものはどれか。
3つ選べ。
1 在宅復帰施設としての役割・機能があるが、在宅生活の継続を支える役割もある。
2 在宅復帰支援機能加算の算定には、入所者が希望する指定居宅介護支援事業者への情報提供が要件となる。
3 病状が安定期にある要介護者を対象としていることから、診療等の医療行為を行うことはできない。
4 従業員として、薬剤師の配置は定められていない。
5 小規模介護老人保健施設には、サテライト型、医療機関併設型、分館型がある。
◆ポイント◆
介護老人保健施設には5つの役割・機能がある。ここではそれをまとめておく。
・包括的ケアサービス施設:医療と福祉のサービスを統合する。
・リハビリテーション施設:生活機能の向上を目的に集中的な維持期リハビリテーションを行う。
・在宅復帰施設:他職種からなるチームケアで早期の在宅復帰に努める。
・在宅生活支援施設:家庭でのケアが少しでも継続できるように高齢者やその家族を支える。
・地域に根ざした施設:家庭介護者や地域のボランティア等がケア技術を習得する。
◆答えの解説◆
1=○
介護老人保健施設には、在宅生活を継続させる「在宅生活支援」という役割もある。
2=○
在宅復帰支援機能加算は、入所者の家族との連絡調整、入所者が希望する指定居宅介護支援事業者に対して退所後の居宅サービス利用に関する調整を行っていることが算定要件となっている。
3=×
介護老人保健施設では、診療行為を行うこともある。
4=×
薬剤師に関しては、施設の実情に応じた適当数を配置する必要がある。
5=○
小規模介護老人保健施設とは、定員29名以下の介護老人保健施設であり、サテライト型、医療機関併設型、分館型がある。
保健医療サービスの知識等(基礎):2014年-問題40
次の記述について適切なものはどれか。
3つ選べ。
1 療養通所介護は、介護療養病床に入院中の者が利用する通所介護サービスである。
2 短期入所療養介護は、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、療養病床を有する病院又は診療所で提供される。
3 短期入所療養介護は居宅サービス計画書に基づいて提供されるため、短期入所療養介護計画書の作成は義務付けられていない。
4 特定短期入所療養介護は、難病やがん末期の要介護者などが、一定の基準を満たした短期入所療養介護事業所において日帰り利用を行うサービスである。
5 介護保険施設が、居宅介護支援事業者又はその従事者に対し、要介護高齢者を紹介することの代償として、金品その他の財産上の利益を供与することは禁止されている。
◆ポイント◆
医療系サービスに関する問題である。各事業者について簡単にまとめておく。
・療養通所介護:難病や末期がんなどの要介護者に対して、医療ニーズと介護ニーズをあわせもつ中重度者等の在宅生活継続のための支援を強化するために2006(平成18)年4月からできた通所介護の一種である。
・特定短期入所療養介護:難病や末期がんなどの要介護者に対して行われる日帰りサービスである。
◆答えの解説◆
1=×
療養通所介護は、居宅サービスに該当するため、介護療養病床に入院中の者は利用できない。
2=○
短期入所療養介護は医療系のサービスであるため、介護老人保健施設、介護療養型医療施設などを有する病院または診療所で提供されるショートステイサービスである。
3=×
短期入所療養介護計画書は、おおむね4日以上利用する要介護者について作成しなければならない。
4=○
特定短期入所療養介護は、一定の基準を満たした短期入所療養介護事業所において日帰り利用を行うサービスである(宿泊でないところに注意)。
5=○
介護保険施設が、居宅介護支援事業者またはその従事者に対し、要介護高齢者を紹介することの代償として、金品その他の財産上の利益を供与することは禁止されている。
保健医療サービスの知識等(総合):2014年-問題41
認知症について適切なものはどれか。
3つ選べ。
1 介護支援専門員は、認知症に人やその家族の状況把握に加え、かかりつけ医等から情報提供を受け、アセスメントを行う。
2 若年性認知症の人が取得できるのは、知的障害者手帳である。
3 若年性認知症の人は、認知機能の低下により仕事に支障が生じ、早期に発見されるため、予後がよい。
4 「認知症カフェ」は、認知症の人の家族に対する支援の取り組みの1つであり、専門職にとっては、認知症の人やその家族の状況を把握できる場である。
5 都道府県は、若年性認知症の人の状態にあわせた適切な支援が図れるよう、医療、介護、福祉及び雇用の関係者が連携するネットワークを構築するための会議を設置する。
◆ポイント◆
認知症に関する問題である。ここでは、若年性認知症についてまとめておく。
・若年性認知症:一般的には、65歳未満で発症する認知症(アルツハイマー型認知症・血管性認知症など)をいうが、介護保険の特定疾病(初老期における認知症)に照らし合わせたほうが考えやすいので、40歳以上65歳未満で発症した認知症と考えるほうがよいとも思われる。認知機能の低下という部分では高齢者における認知症と同様であるが、仕事上や日常生活を送るうえで見過ごされがちであり、また若いということで認知症の疑いをもたないということも多く、発見は遅いとされている。
◆答えの解説◆
1=○
介護支援専門員は、アセスメントを行う際には本人の同意を得て、医療機関や家族から適切な情報を把握することが必要である。
2=×
若年性認知症の人が取得できる手帳としては、精神保健福祉手帳が挙げられる。
3=×
若年性認知症は早期に発見されることが少なく、また、徐々に進行していくため、予後がよいとはいえない。
4=○
「認知症カフェ」には認知症の人及びその家族が参加しているため、専門職は認知症の人やその家族の状況を把握することができる。
5=○
都道府県に、「若年性認知症就労支援ネットワーク」が設置されている。
保健医療サービスの知識等(総合):2014年-問題42
感染管理について、より適切なものはどれか。
3つ選べ。
1 施設入所者の咽頭培養でMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)が陽性であったため、症状はないが強制的に隔離した。
2 施設入所者に2週間以上咳が続いているため、結核を疑い、医師に報告した。
3 ノロウイルス感染者の吐瀉【としゃ】物を処理する際に、マスク、エプロン、手袋のいずれも使い捨てのものを使用した。
4 社会福祉施設において、65歳に達する年度以降の入所者に対し、毎年1回の定期結核検診を実施している。
5 通常疥癬【かいせん】は施設内で集団発生することがあるため、発症者を強制的に隔離した。
◆ポイント◆
出題されている感染症と感染経路について簡単にまとめておく。
・MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌):空気感染であるが弱毒性の菌である。抵抗力の低下している利用者が多い病院や施設などで集団感染することがある。
・結核:空気感染である。抵抗力の低下している高齢者等が発症する。
・ノロウイルス:吐潟物や便などからの空気感染や接触感染、また、カキなどの二枚貝を生食することで起こる経口感染など、感染経路が多く集団感染する。
・疥癬:接触感染。ヒゼンダニによって起こされる皮膚感染症である。
◆答えの解説◆
1=×
MRSA保菌者に関しては、隔離する必要はない。
2=○
結核には、長期間の咳が続くという症状があるため、その状態で医師に報告することは適切な対応といえる。
3=○
ノロウイルス感染者の吐瀉物を処理する際の手袋等から二次感染を起こす可能性があるため、使い捨てのものを使用しなければならない。
4=○
社会福祉施設においては、職員及び65歳以上の入所者に対して、毎年1回の定期結核検診が義務づけられている。
5=×
隔離の必要があるのは、角化型疥癬(ノルウェー疥癬)である。
保健医療サービスの知識等(総合):2014年-問題43
終末期ケアについて、より適切なものはどれか。
2つ選べ。
1 臨終が近づいたときは、応答がなくなっても、最後まで語りかけ、最期を看取るようにする。
2 独居の高齢者については、本人が希望しても、在宅での看取りを行うべきではない。
3 看取りの方針を決めた場合には、家族の意向が変わっても、その方針は変更しない。
4 末期がん患者の疼痛緩和には、第一段階としてオピオイド鎮痛薬を用いる。
5 介護老人福祉施設において、入所者又は家族の同意を得て、医師、看護師、介護職員等が共同して看取りの支援を行った場合には、看取り介護加算を算定できる。
◆ポイント◆
終末期における介護(ターミナルケア)についての問題である。出題が多い介護保険施設におけるターミナルケアの加算についてまとめておく。
・介護老人福祉施設における看取り介護加算:都道府県知事に届け出た指定介護老人福祉施設が死亡日30日前より段階的に算定できる。
・介護老人保健施設におけるターミナルケア加算:厚生労働大臣が定める基準に適合する入所者に対して死亡日30日前より段階的に算定できる。
(おのおのの算定単位数は違うことに注意する)
◆答えの解説◆
1=○
臨終が近くなっても、聴覚は失われないため、最後まで声をかけることが重要である。
2=×
独居の高齢者であっても、本人が希望すれば、体制を整えたうえで在宅での看取りを行うことが求められる。
3=×
家族の意向が変わった場合、看取りの方針を変更することもある。
4=×
末期がん患者の疼痛緩和は、第一段階として、非オピオイド鎮痛薬(アスピリンやアセトアミノフェンなど)を用い、次に弱オピオイド鎮痛薬(コデインなど)、そして強オピオイド鎮痛薬(モルヒネなど)を順に用いていく。
5=○
看取り介護加算は、都道府県知事に届け出た介護老人福祉施設において算定できる。
保健医療サービスの知識等(総合):2014年-問題44
薬剤の管理について、より適切なものはどれか。
3つ選べ。
1 薬剤管理指導は、薬剤の効果を適切に把握し、副作用の未然防止を図るとともに、薬剤の適正使用を進めることを目的とする。
2 複数の薬剤が処方されている場合は、一包化することにより、服用忘れや服用間違いなどを防ぐことができる。
3 在宅で使用される中心静脈栄養に使用する注射薬は、病院から届けられるものであり、薬局から届けられることはない。
4 在宅の患者が使用する必要がなくなった麻薬は、自宅で廃棄処理しなければならない。
5 胃ろうから薬剤を注入する際には、それぞれの薬剤について、錠剤を粉砕したり、微温湯で溶解させたりしてよいか、確認する必要がある。
◆ポイント◆
薬剤管理に関する問題である。高齢者では、薬剤の併用が多くみられ、相互作用や副作用の発現に注意する必要がある。また、薬剤の飲み忘れや二重飲みなどにも注意する必要がある。
◆答えの解説◆
1=○
薬剤管理指導は、最小の使用薬剤で最大の効果を得ることを目的とする。
2=○
高齢者には、複数の薬剤が処方されている場合が多く、一包化することで服用忘れや服用間違いの予防となる。
3=×
中心静脈栄養の注射薬は、薬局から届けられることもある。
4=×
在宅で使用しなくなった麻薬は、適切な廃棄処理が求められるため、自宅で勝手に廃棄処理をしてはならない。
5=○
胃ろうから注入する薬剤については、変形等させると効果を発しないものもあるため、必ず事前に確認しておく必要がある。
保健医療サービスの知識等(総合):2014年-問題45
次の記述について正しいものはどれか。
3つ選べ。
1 通所リハビリテーションにおける短期集中リハビリテーション実施加算は、退院日又は認定日から起算して3か月以内に行われた場合に、算定することができる。
2 在宅療養支援診療所は、介護療養型医療施設の入所者に対して往診料を算定することはできない。
3 介護保険における主治医意見書は、要介護認定に用いられるものであり、介護支援専門員が介護サービス計画作成に用いることは望ましくない。
4 要介護者に対して医療保険と介護保険の両方から給付が可能な場合には、原則として、介護保険が優先される。
5 高額医療合算介護サービス費は、医療と介護の利用者負担額を足し合わせて、月単位で支払いが一定額を超えた場合に、申請に基づいて支給される。
◆ポイント◆
医学全般に関する問題である。設問にある主な語句をまとめておく。
・在宅療養支援診療所:届出の際に、保健医療サービスや福祉サービスとの連携担当者を記載する欄があり、連携を密に行わなければならないとされている。24時間在宅の看取りに対応する体制が整ってきた。
・高額医療合算介護サービス費:医療保険各制度の世帯内に要介護者がいる場合で、医療保険と介護保険の定率自己負担の合計額が所得区分に応じた負担限度額を超えるとき、超える額を償還払いで支給される。
◆答えの解説◆
1=○
通所リハビリテーションにおける短期集中リハビリテーション実施加算は、医師または医師の指示を受けた理学療法士等が集中的な個別リハビリテーションを行った場合に算定される。
2=○
在宅療養支援診療所は、介護療養型医療施設の入所者に対して往診を行っても、往診料を算定することはできない。
3=×
主治医意見書は、医学的視点で利用者を客観的に判断できるものであるため、介護サービス計画作成に用いることでよりよい計画策定ができる。
4=○
医療保険と介護保険で同様のサービスがある場合は、原則として介護保険が優先される。
5=×
高額医療合算介護サービス費とは、医療と介護を合算し、年単位で一定額を超えた場合に、その超えた額を医療保険と介護保険の自己負担額に応じて按分し、各保険者が支給するもので、そのうち介護保険の保険者が支給する給付をいう。